北京で中国の習近平国家主席(奥)と肩を並べるロシアのプーチン大統領=2018年6月(AP)
ロシア軍によるウクライナへの侵攻が懸念されていた2月上旬、ロシアの友好国である中国の政府高官らがロシア政府高官らに、同月20日の北京冬季五輪閉幕までは侵攻に踏み切らないように要請していたと米紙ニューヨーク・タイムズ電子版が2日、複数の欧米当局者の話として伝えた。侵攻は五輪閉幕4日後の24日。中国が事前に侵攻計画を把握していたことを示唆していると指摘している。
中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領は2月4日に北京で会談しているが、欧米当局者の一人は、必ずしもこの首脳会談で話し合われたことを示すものではないとしている。米CNNテレビは米当局者の話として、要請は首脳会談の時期付近に行われたとしている。
同紙によると、米当局者らは昨年11月中旬以降、ウクライナ国境に集結するロシア軍の情報を中国側に提供、プーチン氏の説得を求めた。米側の働きかけは中国の王毅国務委員兼外相らを含めて数回に上り、ロシアによる侵攻の数時間前も秦剛駐米大使と話し合ったが、中国側はロシアが侵攻するかどうか懐疑的だったという。
中国外務省は「侵攻」という表現を拒み、「安全保障に関するロシアの正当な懸念を理解」する立場を表明。欧米による制裁を非難するなどロシア寄りの姿勢を鮮明にしている。