「ザ・タイムズ」が報道した『ロシア内部告発者の報告書』
ウクライナ情勢を巡り、イギリスの「ザ・タイムズ」が“ロシアの内部文書”を独自入手したと報じました。記事ではロシアの情報機関のメンバーが「侵攻は完全な失敗」とも語っていますが、果たして真相は?一方、アメリカCIAは、プーチン大統領が軍の戦いぶりに怒りを強めていて、民間人を巻き込んだ戦闘が激化する可能性もあると分析しました。ロシアと欧米の関係に詳しい、筑波大学、東野篤子(ひがしの・あつこ)准教授が解説します。
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ロシアの焦りが見える「内部告発者の報告書」
筑波大学 東野篤子准教授
Q.ロシア側も非常に焦っているのが内部告発者の報告書から見て取れるのですが、キエフ侵攻に関しても「見誤った」というところはあるのでしょうか?
(筑波大学 東野篤子准教授)
「そうですね。元々この侵攻を巡っては、ロシアの政権内部でも意見が分かれていたという情報もありますが、プーチン大統領が押し切った、全く聞く耳を持たなかったということです。一致団結してこの侵攻に臨んだわけではなく、多くの人が疑問をもって進められてきた中で、ほころびが出てきて統制が上手くできなくなってきています。この軍事侵攻は、当初の予定より相当遅れていると言われていて、恐らくプーチン大統領は非常に焦っていると思いますし、長引けば長引くほど、ロシアにとっては不利だという情報もあったわけです。オリンピックとパラリンピックの間に終われると思っていたようなのですが、全くそうなっていないですよね。」
Q.プーチン大統領は予想以上の抵抗を受けていると思っていいのでしょうか?
(東野篤子准教授)
「予想以上にウクライナの抵抗にあったこともありますし、予想以上にロシア軍の統率が取れていなかったということもあります。キエフ侵攻の見通しが甘く、補給も上手くいかなくなってくるとか、『戦争だと知らなかった』と言って帰る人も出たり、結構カオスになってきて、すべてが想定外かと思います。『これは本当にまずいんだ』という内部文書がロシアの軍部から出てきても全くおかしくないです。」