藤井聡太竜王
将棋界のスター藤井聡太竜王(王位、叡王、王将、棋聖、19)が食べたとなれば、たちまち売り切れ続出になるとも言われる「将棋めし」。2021年度はタイトル戦で各地を回り、その土地の名産に舌鼓を打ちながら、快勝を続けてきた。これに各種メディアからの注目もさらに高まり、対局の度にどんな食事、さらにはおやつを食べるかも毎回取り上げられるほどだ。この中で、藤井竜王が「一番の勝負手だった」と語ったのが、地元・愛知での対局で食べた「ぽんきし」だった。
【動画】藤井聡太竜王が叡王戦で頼んだ「ぽんきし」
藤井竜王が「ぽんきし」を食べたのは、叡王戦五番勝負の第3局。同じく愛知出身の豊島将之九段(31)が保持していた叡王への挑戦中で、愛知が生んだ天才同士が名古屋で対決するということもあり、現地は大いに盛り上がった。対局日は、夏真っ盛りの8月9日。夏場の長時間対局にスタミナをつけようという意図でもあったのか、すっぽんのスープに名産きしめんが入った「ぽんきし」というメニューを注文。見事に勝利を収めた後のインタビューでも「きしめんは名物の一つですけど、おそらくすっぽん自体は初めて食べた気がして、おいしく頂きました」と、すっぽんデビューだったことを明かしていた。
この「ぽんきし」について改めて語ることになったのは、師弟による早指し戦「ABEMA師弟トーナメント」のスピンオフ企画として、師匠・杉本昌隆八段(53)と出場、チーム動画を撮影した際のトークから。杉本八段が、今年度一番すごいと思った藤井竜王の対局を当てるというクイズについて、藤井竜王がこの叡王戦第3局だと答えたところから始まった。「お昼ごはんに『ぽんきし』というものを頼んだんですけど、対局のお昼ごはんでは、一番の勝負手でした」とにっこり振り返っていた。
食べ物に関しては、きのこが苦手など気を使う部分もある藤井竜王だけに、大事なタイトル戦の最中に、すっぽん初体験というのもかなり思い切った決断。将棋ではトップクラスの事前研究を行うタイプでもあり、考えるほどに本人にとっては相当の“勝負手”だったようだ。
◆第1回ABEMA師弟トーナメント 日本将棋連盟会長・佐藤康光九段の着想から生まれた大会。8組の師弟が予選でA、Bの2リーグに分かれてトーナメントを実施。2勝すれば勝ち抜け、2敗すれば敗退の変則で、2連勝なら1位通過、2勝1敗が2位通過となり、本戦トーナメントに進出する。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで、チームの対戦は予選、本戦通じて全て3本先取の5本勝負で行われる。第4局までは、どちらか一方の棋士が3局目を指すことはできない。
(ABEMA/将棋チャンネルより)