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ロシア上空飛行禁止の影響
貨物便のルフトハンザ・カーゴは南回りルートで運航する。成田空港で撮影(画像:シカマアキ)
ロシアがウクライナへ侵攻したことで戦争が起き、航空業界にも多大な影響を及ぼしている。まず、ウクライナを支持する西欧諸国の航空会社がロシア上空の飛行を禁じられ、日本をはじめとするその他の国々も、ロシア上空を避ける動きが活発化している。
【写真】駐機中のロシア航空機「アエロフロート」
その結果、通常はロシア上空を飛んでいたヨーロッパと東アジアを結ぶ航空便が最も影響を大きく受け、コロナ禍以上の欠航便数となっている。
運航便が少なくなると、旅客便は運賃が高騰し、貨物便では荷物の配送遅れが生じる。しかも、現在運航するロシア上空を避ける便は、運航時間が通常より少なくとも数時間多くかかっている状況だ。
さらに、ロシアからの輸入が事実上ストップしているだけでなく、例えば、日本郵便による一部のヨーロッパ行き郵便も
「今般のウクライナの情勢不安を受け、下表に掲げる国・地域への送達手段が確保できなくなったことから、船便以外の引き受けを停止いたします」(日本郵便ウェブサイト)
との理由で一時停止するなど、物流への影響も大きい。
ウクライナでの事態が早期収束する気配は、今のところ見られない。航空業界への主な影響やその理由、今後起こりうる事態などを解説する。
迂回ルートの問題点
JL43便、東京発ロンドン行きで飛行中のルート(画像:Flightrader24)
日本発着欧州行きの大量欠航はロシア上空を飛行できなくなり、たとえ運航しても迂回(うかい)を余儀なくされている。
日系航空会社は、欧州エアラインのようにロシアから飛行禁止を先に通告されたわけでなく、自主的に飛行ルートを変更した。日本政府が欧米諸国と同じ立場であることから、先手を打った。
ロシア上空を避けて飛行するとさまざまな問題が発生する。そのひとつが、飛行時間の大幅な増加だ。
日本~ヨーロッパのノンストップ運航では、例えば日本航空(JAL)の東京(羽田) = ロンドン(ヒースロー)線の場合、これまでは行きの東京発が約12時間、帰りのロンドン発が約11時間の飛行時間だった。それが現在、行きが約15時間、帰りが14時間ほどかかっている。飛行時間が長くなると、燃料を多く積む必要があり、その分、搭載できる貨物の量も減る。長時間のフライトは、乗客・乗員の負担も増える。
紛争地域の近くを飛行するリスクも大きい。
もしロシア上空でトラブルが発生した場合、これまではロシア国内の空港へいったん着陸して対処することが可能だった。しかし現在は緊急着陸しても、現地で航空機の代替部品を調達することは難しい。
ロシアへの物流はほぼ全面ストップし、航空機を製造するボーイングやエアバスといった主要メーカーもロシアでの企業活動を停止して、航空部品の提供なども事実上止まっている。加えて、緊急着陸時に航空保険が契約できる確約もない。
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