
在日ウクライナ大使館前で、取材を受ける元航空自衛隊幹部自衛官(51)
ロシアによるウクライナへの侵攻を受け、在日ウクライナ大使館が2月末にツイッターで「外国人義勇兵」を募集しました。ツイートはその後、削除されましたが、大使館に義勇兵に志願するメッセージを送った元自衛官(51)がいます。胸の内を取材しました。
■在日ウクライナ大使館は公式サイトで義勇兵を募集
ウクライナのゼレンスキー大統領が先月27日、志願者による外国人部隊を編成すると表明したことを受け、在日ウクライナ大使館は同日、公式ツイッターで「共に戦いたい方々」を募りたいという投稿を出しました。

義勇兵募集のツイート(大使館は2日付で投稿を削除)
「ゼレンスキー大統領は27日、ボランティアとしてウクライナ兵と共にロシア軍に対して戦いたい格国の方々へ、新しく設置されるウクライナ領土防衛部隊外国人軍団への動員を呼びかけた。お問い合わせは在日ウクライナ大使館まで」(原文ママ)と記されていました。
ウクライナ大使館のSNS投稿を見て、翌日応募したのは、元航空自衛隊の幹部自衛官のOさん(51)です。

ウクライナ大使館とのメッセージ(Oさん提供)
Oさんは、フェイスブックのメッセンジャーを使って、応募のメッセージを大使館宛に送りました。
「ウクライナに対するロシア侵攻に憤りを感じています。ウクライナの皆様に協力できることがあれば、航空自衛隊25年弱の経験を活かせたらと思います。航空作戦、輸送、気象、教育などが専門でした。」2日後に、大使館のアカウントから“電話番号”が案内され、直接問い合わせるよう言われたといいます。
■元自衛官が語る「私がウクライナ義勇兵に志願したワケ」

在日ウクライナ大使館を訪ねるOさん(51)
Oさんは約10年前に自衛隊を辞め、一人でイベントなどのコンサルティング会社を経営しています。
現在は独身で、子供は成人しているといいます。
記者が「なぜ、義勇兵を志願したのか」を聞くと、「プーチン大統領の侵略行為に強い憤りを感じた。自分は約25年間自衛隊にいて、かつて航空自衛隊で作戦の立案に携わり、イラクやドバイなど中東での国際貢献活動に関わった。また、武器使用の教官などの実績もあるので、ウクライナでも隣国のポーランドでも、必要とされる場所に行って、命をかけて戦いたい。」「具体的にどんなことをしたいか」という問いに対し、
「例えば、ウクライナの人々に銃の使い方を教えることができる。これまで銃を手にしたことのないウクライナ人が多いだろうから、銃をどう有効的かつ安全に使うかを学ぶ必要がある。」さらに、「日本国として軍事的にウクライナを応援できない分、個人としてやりたい。将来的に、核を持つ中国、北朝鮮が日本に攻めてくる可能性がある中、こういう時こそ、国際社会に対し日本人は何にもしない訳にはいかない。」と話します。