宮城、福島両県で最大震度6強、マグニチュード(M)7・4を観測した16日の地震について東北大災害科学国際研究所は22日、調査報告会をオンラインで開いた。遠田晋次教授(地震地質学)は、今回を含む三つのM7級地震の推定震源域に挟まれる形で断層の「未破壊域」が存在する可能性を指摘し、今後も地震への警戒を呼び掛けた。
三つの地震は今回と昨年2月13日のM7・3、2011年4月7日のM7・2で、それぞれの推定震源域は図の通り。いずれも東日本大震災の本震の影響で発生したと考えられ、震源は陸側プレート(岩板)に沈み込む太平洋プレートの内部だった。
三つの推定震源域の間にある領域に関し、遠田教授は「ひずみの変化を計算すると、非常に力が加わっている。周囲のプレート境界も同様に影響を受けており、地震の誘発に注意が必要だ」と語った。
両県の地震計のデータを分析した大野晋准教授(地震工学)は「昨年2月の地震より揺れが大きかった地点が多く、県境の福島側の自治体では震災の本震を上回った所がある」と説明した。
目視調査による建物被害の特徴、津波の解析結果なども発表された。数日間は気温が低い日が続くとして、低体温症への備えを促す報告もあった。
河北新報