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沖の船と連絡を取り合う無線のアンテナ(中央上)は事故前に破損し、本来の高さの半分程度になっていたという(26日、北海道斜里町の知床遊覧船で)
北海道・知床半島の沖合で乗客乗員26人が乗った観光船「KAZU I(カズワン)」が消息を絶った事故で、運航会社「知床遊覧船」(北海道斜里町)の無線設備が破損していたことが26日、国土交通省関係者などへの取材で分かった。事故直前に、観光船の設備について海上保安庁の指導を受けていたことも判明。国交省や同庁は、安全管理体制に問題がなかったか詳しく調べる方針。
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国交省関係者によると、破損していたのは、運航会社社屋の屋根に設置されている無線用のアンテナ。沖に出た船舶との連絡に使用する。しかし、23日の事故後、同省職員が監査で立ち入るなどした際、破損しているのを確認したという。
雪で破損し、使用できない状態だったとみられ、同社関係者も26日、読売新聞の取材に対し「会社の無線アンテナは、しばらく前から壊れ、事故時は船とやりとりができない状態だった」と証言した。
事故当日にカズワンの異変を察知し、同庁に最初に118番通報をしたのは知床遊覧船ではなく、斜里町内の別の観光船会社だった。この会社によると、カズワンが帰港予定時刻になっても戻らず、無線で「どこにいる?」と尋ねたところ、船長と思われる男性から「カシュニ(の滝)にいて時間がかかる」と返答があった。だが、その後、慌てふためいた様子で「大変だ。ライフジャケットを着せろ」との声が聞こえたため、通報したという。
旅客船事業者は事故発生に備え、海上運送法に基づき、安全管理規程で船と事業所間での通報・連絡手段を定める必要がある。国交省などは規程が順守されていたかを確認している。
また、事故2日前の今月21日に海上保安庁による定期的な安全点検で、洋上での位置などを確認する「GPSプロッター」と呼ばれる機器がカズワンから取り外されており、海保が指導していたことも分かった。
海保関係者によると、「船のカーナビ」とされる機器で、自船の位置や海図、水深を把握できる等深線などがモニターに表示される。搭載は義務ではないが、多くの船で使われ、カズワンは昨年6月に座礁事故を起こし、海保が「GPSプロッター」を再発防止に使用するよう指導していた。
21日の点検で、知床遊覧船は「整備のために外している」と説明。海保は再度取り付けるよう指導し、後日、確認する予定だった。事故当時に取り付けられていたのかは不明という。
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