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世界最高峰とうたわれ、高級店で提供される“幻の鶏”。
その養鶏場に関して近隣住民とのトラブルが起きている。行政も乗り出したトラブルの行方を取材した。
【画像】悪臭、騒音…住民からの訴えに農園側は
“世界最高峰の鶏”に困惑の住民たち
「唯我独尊」「世界最高峰の鶏」…ホームページに並ぶ高級感溢れるうたい文句。
有名グルメ雑誌でも取り上げられ、美食家たちの間で話題の“高坂鶏”。
限られた店でしか取り扱いのない“幻の鶏”とも言われている。
その評判の鶏が育てられているのは兵庫・丹波篠山市。
養鶏場が建てられているのは、自然豊かでのどかな土地だ。
しかし、その地元の住民の間では怒りが高まっていた。
地元住民:
本当臭いです。耐えられないですよ。ご飯が食べれないぐらい。
窓開けて風が通るようにしたら、モロに臭いが入ってくる。ご飯食用意してても食べてても『ちょっと窓閉めよう』と言って閉めたりとか
“高坂鶏”をめぐって、地元住民たちとトラブルが起こっていたのだ。
地元住民:
鶏糞を運び出すときの音ですね、重機の音が特にうるさいです
記者リポート:
私たちが来てからおよそ1時間半の間に、このような重機の音が何度かしています。強い臭いはしませんが、風が吹くと、モワッとするような鼻をつく臭いがします
住民によると、農園は2000年に米や野菜を作るという説明で農地を購入。
養鶏を始めたのは、その後しばらく経ってからだという。
当初から臭いなどはあったものの、環境が大きく変わったのは2015年頃。
それまではなかった鶏舎が徐々に増築され、事業を拡大していったという。
悪臭に騒音 “幻の鶏”の農園で何が…
悪臭と騒音に悩まされた住民たちは、3年ほど前から声を上げ始めた。
住民の声に押され、丹波篠山市は農園の調査に乗り出す。
すると、鶏舎が無届であったことが発覚した。
さらに、最も近い住宅までの距離も基準を満たしていない条例違反だったことが分かり、複数回にわたって改善勧告などを出した。
これに対し、農園は処分を不服として、現在裁判が行われている。
さらに兵庫県も、無許可で農地に鶏舎を設置した農地法違反にあたるとして、12月までに原状回復するよう是正勧告を出している。