(写真:読売新聞)
一定の違反歴がある75歳以上のドライバーに対する「運転技能検査」が、今月13日から始まる。身体的な衰えに起因する事故を防ぐのが狙いだ。高齢者の免許更新時の手続きが増えることから受検、受講の待ち日数が延びる可能性があり、各地の警察が対応に乗り出している。(建石剛)
「検査員約1000人への指導が終わり、コースの準備も整った」。警視庁の茅根(ちのね)弘幸・運転者教育課長(47)は表情を引き締める。東京都内の会場は、自動車教習所と運転免許試験場の計45か所。6日から対象者への通知が始まる。
改正道路交通法が対象とするのは、起点日(免許更新直近の誕生日の160日前)から3年以内に、信号無視や逆走、速度超過など11類型の違反をした人だ。全国で免許を更新する75歳以上の7%(年間約15万人)程度が該当するとみられる。
時間は約10分で、課題は一時停止の正確性や右左折時の安全確認、段差を乗り越えた直後の急停止など。100点満点の減点方式で、70点未満は不合格となる。信号無視や逆走は40点減点で、「一発アウト」だ。
警察庁の仲村健二・高齢運転者等支援室長(45)は「重大事故につながるミスは大きな減点とした」と説明する。検査は免許更新期限の6か月前から何度でも受けられる。