山際大志郎氏、政治資金パーティー券“便乗値上げ”に批判の声 – 統一教会問題の過去と透明化への逆行

元経済財政・再生相の山際大志郎氏(57)が、来る12月に開催予定の自身の政治資金パーティーの会費を例年より5000円高い2万5000円に“便乗値上げ”したことが波紋を呼んでいます。かつて旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係が問題視され、説明責任を十分に果たさなかったことで更迭された経緯を持つ同氏の今回の行動は、政治資金の透明化が求められる中で、有権者からの不信感を一層高めています。

山際氏の過去と統一教会問題の再燃

山際氏は岸田政権下で経済再生担当相として初入閣を果たしたものの、在任中に旧統一教会との抜き差しならない関係が大きく取り沙汰されました。韓鶴子総裁との記念写真など明確な物証が示された際も、「記憶が定かではない」と繰り返し、歯切れの悪い答弁に終始。この「鉄面皮」な対応は国会の紛糾を招き、最終的には更迭される事態となりましたが、その「往生際の悪さ」には与党内からも呆れる声が上がったと報じられています。

政治資金パーティー券値上げが報じられた山際大志郎元経済財政・再生相政治資金パーティー券値上げが報じられた山際大志郎元経済財政・再生相

政治資金パーティー券「2万5千円」の謎

現在、山際氏は高市早苗首相(64)から自民党税調の要職である小委員長を任されており、再び政治の中枢にいます。そんな中、12月15日に都内ホテルで開催予定の「山際大志郎君を励ます会」のパーティー券が、通常の相場である2万円よりも5000円高い2万5000円で販売されていることが判明しました。

案内文では、政治資金規正法の改正を挙げ、「企業・団体の皆様がよりご協力いただきやすい環境を維持しつつ、今後も安定した政治活動を継続していくため」と、値上げへの理解を求めています。

法改正を口実とした「非公開枠」狙い

政治資金規正法は、2027年1月には政治資金パーティーの対価を支払った者の氏名が収支報告書に記載される基準額が「20万円超」から「5万円超」へと引き下げられる予定です。企業側としては、特に山際氏のように過去にスキャンダルで注目された政治家との関係を公にしたくないのが本音であり、この公開基準額の引き下げは、企業がパーティー券を購入するハードルを確実に上げると見られています。

神戸学院大学の上脇博之教授は、パーティー券を1枚2万5000円に設定することで、2枚購入すれば非公開基準ギリギリの5万円になる点を指摘。「企業名を公開しない範囲で2枚買ってください」と言っているのと同じであり、裏金問題を受けて進められたカネの流れの透明化を図る法改正が「骨抜きになってしまう」と批判しています。自民党関係者も、「再来年の施行を口実にパー券を1枚2万5000円に引き上げ、結果として5万円分を買ってもらおうという思惑が透けて見える」とし、「物価高で苦しむ国民感情を逆なでする行為だ」と厳しく断じています。

専門家が指摘する「法の骨抜き」と「有権者軽視」

政治アナリストの伊藤惇夫氏は、「自民党は政治とカネの問題を終わったことにしたいのだろうが、実際には政治家と企業・団体との癒着に関する問題は未解決だ」と述べ、山際氏個人も旧統一教会問題に関するまともな説明責任を果たしていないと指摘。その上で、「むやみに企業にパー券を売りつけようとするなんて、有権者を馬鹿にしている」と喝破しました。

山際氏は昨年の衆議院議員選挙でかろうじて比例復活した経緯があります。有権者の目を軽んじ、説明責任を回避し続けるその厚顔な姿勢が、やがては自身の政治生命を揺るがすことになりかねません。政治資金の透明化が叫ばれる中、政治家にはより一層、国民からの信頼を得るための真摯な姿勢が求められています。


参考文献