大規模な漏水が発生した取水施設「明治用水頭首工」。応急措置として仮設ポンプで川から水をくみ上げている=愛知県豊田市で2022年5月18日午前11時34分、川瀬慎一朗撮影
大規模な漏水が発生した取水施設「明治用水頭首工」(愛知県豊田市)を訪れると、川底が見えるほど矢作川の水量が減っていた。せきの上流側の水位が低くなり、普段は川底にある昔のせきもむき出しになっている。上流部では水が左岸側に向かって流れ、川底へと吸い込まれていた。
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頭首工は東海農政局が所管。現場では作業員らが仮設ポンプを設置するなどして水をくみ上げ、工業用水を事業所に供給する安城浄水場(同県安城市)まで送ろうとしているが、県担当者は「なかなかうまくいっていない」と漏らした。
周辺には多くの報道関係者のほか、近隣住民らが集まり、不安そうな様子で写真を撮るなどしていた。
矢作川漁業協同組合の河川監視員の男性(80)は毎日新聞の取材に「15日午前10時ごろ、喫茶店の帰りにいつものように川を見て回ると水が噴き出しており、様子がおかしいと思い漁協に連絡した。子どもの頃から住んでいるが、こんなに水が少ないのは初めて。アユ漁にも影響が出るだろう」と話していた。【川瀬慎一朗】