19日、ウクライナ東部ハルキウで、ロシア軍のロケット攻撃で破壊された建物の消火を行う消防隊員ら(AP)
【キーウ=笹子美奈子】ロシア軍がウクライナ東部ハルキウ州への攻撃を強めている。英国防省は19日、この攻撃でウクライナ軍を同州に足止めし、他地域への反撃に向かわせない意図があるとの見方を示した。
州都ハルキウでは17~18日に住宅街などが露軍の攻撃を受け、21人が死亡した。ウクライナ軍参謀本部によると、19日も州内各地で砲撃などが確認された。英国防省は露軍の一連の攻撃に関し、「ウクライナ軍の重要な部隊を前線にとどめ、他地域での反撃に投入されないようにしている」と指摘。ウクライナ軍が南部で攻勢を強めるのを阻止する狙いがあると分析している。
露軍は同州全体の20%程度しか制圧していないが、地元の親露派は19日、「閣僚会議」を発足させ、トップに露南部で直前まで市長だった人物が就任した。
一方、タス通信によると、ロシアが2014年に併合した南部クリミアで19日、露海軍黒海艦隊が拠点を置くセバストポリなど2か所の露軍の防空システムが作動した。ウクライナ側が無人機(ドローン)で攻撃しようとした可能性がある。