ロシア政治が専門で筑波大学名誉教授・筑波学院大学教授の中村逸郎が8月29日(月)、ニッポン放送『辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!』に出演。ウクライナ侵攻を止めるのは「ロシア国民」しかいないと語り、9月11日に行われるロシアの統一地方選挙が「ひとつの山場」であると解説した。
ウクライナ侵攻 破壊されたロシアの戦車が並ぶ中央通り。夜になっても多くの人が写真を撮るなど訪れていた=2022年8月24日、ウクライナ・キーウ写真提供:産経新聞社
中村は、ウクライナ侵攻の停戦の可能性について「この戦争をとめるのはロシア国民しかいないと思っている。外交交渉で停戦はもうあり得ないと思う」と述べ、プーチン大統領自身は理性を失い、ウクライナのゼレンスキー大統領も引くに引けない状況にあると分析。「もう少し時間がかかる」と指摘した。
そのうえで2月24日の侵攻開始以来、反戦活動で逮捕者が出ているとされる「ロシア連邦保安局(旧KGB)」がクーデターを起こして停めるしかないとも語った。
また、9月11日に行われるロシアの統一地方選挙も「ひとつの山場」だと言及。かつてソ連崩壊へ波及したというロシアの統一地方選挙は、国政に直接関わるものではなく「反プーチンの意見が出やすい」という。ウクライナ侵攻に対する有権者の反対の声が「地方から反戦の波」として広がっていき、その波が連邦保安局の中の反戦意見を持つ人たちとうまく絡めば戦争は停められると思うと語った。