トラ。インド・コルカタで(2022年7月29日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News
【AFP=時事】インド中部で、トラに襲われた1歳3か月の息子を守るため、母親が素手で立ち向かうという出来事があった。当局が7日、明らかにした。
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マディヤプラデシュ(Madhya Pradesh)州に住むアルチャナ・チョウダリーさんは4日夜、息子に用を足させるために自宅の外に出た。
現地当局者によると、そこにバンダウガル・トラ保護区(Bandhavgarh Tiger Reserve)から出てきたとみられるトラが襲い掛かった。トラは男児の頭にかみつこうとしたが、母親がトラに飛び掛かって阻止した。
トラは繰り返し男児を奪い取ろうとしたが、母親の叫び声を聞いた近隣住民が急いで集まってくると、森の中に消えたという。
母親は両肺に穴が開き、腹部も負傷した。息子は頭部に深い傷を負った。
当局者は「母親は病院に搬送された。一命を取り留め、療養中だ。男児も回復している」と述べた。
現地紙タイムズ・オブ・インディア(The Times of India)は、トラを保護区に戻すための捜索活動が行われており、トラが出没した村の住民に対しては、夜間の外出を控えるよう指示が出ていると伝えている。
南アジアでは都市部の拡大に伴い森林が失われ、人間が動物に襲われる事例が増えている。インド政府の統計によると、2014~19年に225人ほどがトラに襲われ死亡している。
インドには、世界のトラの約7割が生息している。個体数は、2018年の調べで2967頭だった。【翻訳編集】 AFPBB News