アラブ首長国連邦がTB2の120機購入をトルコと協議中、取引額は20億ドル

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Tactical Reportが繰り返し「アラブ首長国連邦がTB2購入のためトルコ側と交渉を行っている」と指摘していたが、英Middle East Eyeも8日「TB2の120機購入について両国が話し合いを進めている」と報じて注目を集めている。

UAEがトルコからTB2を120機も導入するという動きは、トルコ製UCAVの市場人気と信頼性を決定づける可能性がある

トルコのBAYKARが開発したUCAV「バイラクタルTB2」は小型化された専用の精密誘導兵器を採用することで、米国製のMQ-9と同等の滞空性能(任意の空域に長時間留まり続けられるという意味で視覚的なISR任務において重要な数字)を確保した上で「500万ドル」という機体単価を実現、さらにシリア内戦、リビア内戦、ナゴルノ・カラバフ紛争で実戦を経験して実力を示したため導入国が急増している。

アラブ首長国連邦がTB2の120機購入をトルコと協議中、取引額は20億ドル

出典:Vae Victis ウクライナ軍のTB2

問題は「洗練された電子妨害システムや防空システムを保有する軍隊に対してもTB2は効果的に使用できるのか?」という点だが、ロシア軍相手に印象的な活躍を続けているため有人機と同様に「適切な運用方法と戦術を用いればMALEタイプのTB2は高度な戦場環境でも役に立つ」と判断する国が増え、ポーランドに続きルーマニアとセルビアがTB2導入に動いており、フィンランド、ハンガリー、スロバキア、ブルガリア、ラトビアなどの国も導入向けて検討を行っている最中だ。

つまりUCAVは電子妨害システムや防空システムを無視できる無敵の存在ではなく、有人戦闘機を取って食う存在でもないが、有人機と同様に適切な運用方法と戦術を用いれば「有人機に到底不可能な何十時間にも及ぶリスクの高い空域でISR任務や攻撃任務に役立つ」という意味で、損耗する可能性が高い用途にはMQ-9よりも安価なTB2の方が向いている。

アラブ首長国連邦がTB2の120機購入をトルコと協議中、取引額は20億ドル

出典:BAYKAR

MEEは8日「UAEとトルコは最大120機のTB2購入について話し合いを進めており、機体コストは500万ドルだが1機あたり100発のMAM-Lが必要になるため取得コストは1機あたり1,500万ドルになる。これに加え訓練費用や管制システムを取得しなければならないが、1基の管制システムで最大6機のTB2を同時制御できるため導入するTB2の数でこのコストは増減する」と報じているのが興味深い。

MQ-9は有人機が使用するヘルファイアやペイブウェイを使用でき、TB2がオプションで対応する衛星通信にも標準で対応しているが、対外有償軍事援助でMQ-9を調達すると関連費用込みで約1億ドルもする。しかしMEEは「UAEが120機のTB2を導入した場合の契約額は20億ドルになる」と報じているので、関連費用込みの取得コストは1機あたり約1,600万ドルなり中々強烈な価格差だ。

アラブ首長国連邦がTB2の120機購入をトルコと協議中、取引額は20億ドル

出典:U.S. Air Force photo by Senior Airman Haley Stevens

MQ-9は機体が大型でエンジンも強力なためTB2より基本的な飛行性能が優れており、EO/IRセンサーもMX-20を搭載しているためMX-15(最大75km先の車輌を認識でき、組み込まれたレーザー距離計は最大20km先にある目標の位置を特定可能)を搭載するTB2より優れた戦場認識力を提供できるので、調達性以外の部分ではMQ-9にも一定のメリットが存在するものの競合機にバイラクタルAkinciが浮上、すでに4ヶ国(内1ヶ国はパキスタン)と輸出契約を締結しているらしい。

米軍は航空優勢を獲得するため高度なステルス無人機にしか興味を示しておらず、非ステルスの新型UCAV開発に新たな資金を投資するとは考えにくいが、米国はウクライナでの戦いで実証された「互いに航空優勢を拒否する環境」を現実問題として受け止め始めており、この環境下では作戦コスト的に防御側が圧倒的に有利で「高価なハイエンドの戦闘機や爆撃機から脱却して、安価な無人機やミサイルを大量に用意する必要がある」という声もあるので「低コストUCAV」に再び関心を示す可能性もある。

少々話が脱線したが、UAEがトルコからTB2を120機も導入するという動きは「トルコ製UCAV」の市場人気と信頼性を決定づける可能性があるため興味深い動きだ。

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※アイキャッチ画像の出典:BAYKAR

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