【ロンドン=板東和正】8日に96歳で死去したエリザベス英女王の国葬が19日午前11時(日本時間午後7時)から、ロンドン中心部のウェストミンスター寺院で執り行われた。国葬には天皇、皇后両陛下がご参列し、バイデン米大統領ら各国から約500人の元首や首脳らが出席。英史上最長の約70年にわたり在位し、英国民だけでなく世界の人々から敬愛された女王と最後の別れを惜しんだ。
【写真】英女王の国葬が執り行われたウェストミンスター寺院
ロンドン市内は18日から大規模な交通規制が敷かれ、厳戒態勢に入った。ロイター通信などによると、19日は女王を悼む人らが100万人規模で集まると見込まれる。警察官1万人以上が動員され、2012年のロンドン五輪を上回るロンドン史上最大の警備態勢となる。国葬当日は休日となり、英国内の商業施設や観光施設は営業を取りやめる。
国葬に先立ち、英政府は18日夜に1分間、女王をしのんで黙禱(もくとう)をささげるよう国民に呼びかけた。
天皇陛下は18日、英議会議事堂ホールをご訪問。安置されている女王のひつぎにお別れのあいさつをされた。
国葬はウェストミンスター寺院で約1時間営まれる。葬儀後、女王のひつぎは霊柩(れいきゅう)車でロンドン郊外のウィンザー城に運ばれ、城内の聖ジョージ礼拝堂の一角に埋葬される。
国葬はテレビやインターネットで生中継される予定だ。英紙エクスプレスなどによると、国葬の世界の視聴者数は、1997年に営まれたダイアナ元皇太子妃の葬儀(推定25億人)よりも多い41億人になると予想されている。
エリザベス女王は1952年2月に王位継承。53年6月に戴冠(たいかん)した。2007年12月20日、英史上最高齢の君主となり、15年9月9日、在位期間が英史上最長になった。