コリエレ・デラ・セラ紙のコラムニスト、フェデリコ・ランピニ氏(本人提供)
イタリア総選挙で右派連合が勝利する見通しとなったことについて、伊紙コリエレ・デラ・セラの政治コラムニスト、フェデリコ・ランピニ氏は、欧州連合(EU)に打撃が及ぶとの危機感を示した。主なコメントは次の通り。
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右派連合が新政権を発足させれば、欧州連合(EU)の結束に打撃を与えるだろう。ドラギ首相はウクライナ問題で独仏と連携し、EU3大国による欧州外交を目指したが、「イタリアの同胞」のメローニ党首は、EUに批判的なハンガリーのオルバン首相との連携を主張している。イタリアの政権交代は、独仏の指導力低下に追い打ちをかけることになる。EUでは対露強硬派のポーランドやバルト諸国が発言力を増し、主導権争いが激しくなっている。
右派連合の勝利は、不法移民に対する国民の不安の表れだ。スウェーデンでも今月の総選挙で反移民を掲げる極右政党が伸長しており、EUは移民政策の立て直しが必要だ。(聞き手 三井美奈)