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露独立系メディアのМедуза(メドゥーサ)は14日、破綻したウクライナでの戦線を立て直すため「クレムリンは新たな政治的戦術オプションを開発した」と報じており、ヘルソン州西部からの撤退を条件にウクライナとの停戦を働きかけているらしい。
ウクライナ軍にはヘルソン州西部からの撤退を、西側諸国には冬季戦闘で民間人の犠牲者を減らせるという利益を提示
クレムリンはウクライナ軍の反撃で苦境に直面すると「和平交渉再開の可能性」を繰り返し主張してきたが、この交渉はロシア提示の条件下でのみ可能性で「解放を主張するドンバス、ロシア領に併合したザポリージャ州やヘルソン州の維持」が前提なのは勿論、クリミアについては条件にすら入っていない=ウクライナ側と議論するつもりがないと言われている。
これに対してウクライナ政府高官は交渉再開を再三拒否、占領地域併合をロシアが強行するとゼレンスキー大統領は「プーチン大統領との和平交渉は不可能」と記述された大統領令に署名したため、もはや和平交渉の再開は不可能なのだが、これを迂回してロシアが必要とする時間を稼ぐための政治的戦術オプションをクレムリンは開発したらしい。
要約すると政治的主張が衝突するプーチン大統領とゼレンスキー大統領が関与する和平交渉ではなく、ロシア軍とウクライナ軍が主導する形で交渉を行い、動員した兵士の訓練や装備の補充のため2023年2月か3月までの一時的な停戦を実現させるというもので、ウクライナ軍にはもはや維持するのが困難な「ヘルソン州西部からの撤退」を、ウクライナに影響をもつ西側諸国には「冬季の戦闘で民間人の犠牲者を減らせる」という利益を提示。
ヘルソン州西部では既に住民の避難が観測されており、ロシアのクスヌリン副首相は避難民に一時的な宿泊施設や移住を希望する者に住居を無償で提供すると発表、クレムリンに近い関係者はメドゥーサに対して「ヘルソン州西部からの撤退は善意のゼスチャーになる可能性が高い」と述べている。
この話にウクライナが乗ってくるのは謎だが、予備戦力と備蓄物資に余裕=独力によるヘルソン奪還が可能と信じているなら提案を蹴ってくるだろうし、どこかで一時的に止まる必要があるなら無償でヘルソン州西部を取り戻せる提案に乗ってくるかもしれない。
さらに言えばゼレンスキー大統領が表向き関与していないとは言え「何らかの交渉でロシアと合意できた」という前例が今後の妥協に繋がるかもしれないし、保持が難しいヘルソン州西部をロシア軍に守らせた方が「冬季のキルゾーンとして理想的に機能する」とも考えられるので、ウクライナ側がどの様な結論を下すのか注目される。
ロシア軍が予備戦力を増強、ヘルソン州での組織的な攻撃を強化
ウクライナ軍の反撃、ヘルソンは来春まで理想的な敵の殺害エリアになる
※アイキャッチ画像の出典:Генеральний штаб ЗСУ
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