ロシア軍、南部ヘルソン州放棄も 総司令官が示唆


ロシア軍、南部ヘルソン州放棄も 総司令官が示唆

ロシア国旗

【写真】守勢に回っていることを暗に認めたスロビキン総司令官

スロビキン氏は、高機動ロケット砲システム「ハイマース」を使ったウクライナ軍の攻撃でヘルソン州内の橋などが破壊され、輸送路が使用不能になっていると説明。軍事作戦全体に関しても「軍は早急に前進するのではなく、敵の攻勢を打ち砕く戦略をとっている」と主張し、守勢に回っていることを暗に認めた。

さらに、タス通信によると、ヘルソン州の親露派勢力幹部は18日、同州の一部地域の住民を別の地域に避難させると発表した。ウクライナ軍の攻撃に備えた措置だとしている。

プーチン露政権は9月、露編入を問う「住民投票」の結果を正当だと主張し、ヘルソン州や東部ドネツク州など4州の併合を宣言。しかし直後にドネツク州の要衝リマンを奪還された。ヘルソン州でも州都ヘルソンや要衝ノバヤ・カホフカを奪還された場合、併合の拙速さが浮き彫りとなり、露政権への打撃は必至だ。

軍事的にも、ヘルソン州はクリミアと隣接する要衝で、南部に展開する露軍の主要拠点となっている。

ヘルソン州を巡っては、ウクライナ軍が8月下旬ごろから奪還作戦を本格化。これまでに約1200平方キロメートルを解放し、30以上の集落を奪還したと発表している。ウクライナ軍は同州での反攻の詳細を機密とし、逐次の公表はしていない。



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