人気アイドルグループSnow Manが8月23日、24日にタイ・バンコクで開催された大型音楽フェス「SUMMER SONIC BANGKOK」に初出演し、会場を熱狂の渦に巻き込みました。しかし、その華々しいステージの裏では、一部のファンの過剰な行動がインターネット上で大きな波紋を呼んでおり、ファンコミュニティ内での「分裂」や所属事務所からの厳重な警告へと繋がっています。この問題は、芸能活動における新たな社会問題として、各方面から注目されています。
空港での過剰な「お出迎え」行為とその波紋
フェス前日の22日、タイの空港到着ロビーを移動するSnow Manメンバーの様子を捉えた動画がX(旧Twitter)に投稿されました。この動画には、メンバーのすぐ近くでスマートフォンを向け、際限なく追いかけるSnow Manファンと見られる女性たちの姿が鮮明に映し出されていました。おそらく、メンバーと同じ航空便を狙って搭乗したファンによる行為と見られています。
この動画が拡散されるやいなや、他のSnow Manファンからは「好きだからといって何をしてもいいわけではない」「こういう人たちと一緒にされたくない」といった批判が殺到し、ファンの間で意見の対立が生じています。また、先頭を歩いていた佐久間大介が、空港で待ち構えていたファンに手を振ったことについても、「ルールを守れない人に手を振るべきではない」と疑問を呈する声と、「ファンの気持ちを考えれば当然の行動だ」と理解を示す声に割れるなど、複雑な状況が浮き彫りになりました。
タイの空港でファンに囲まれ移動するSnow Manメンバー。一部の過剰な追いかけ行為が問題視されている様子。
芸能界を悩ませるファンによる迷惑行為の深刻化
こうした「つきまとい行為」は近年ますますエスカレートしており、STARTO ENTERTAINMENTは8月22日、公式Xアカウントを通じて厳重な警告を発しました。駅や空港での待ち伏せ、追いかけ、さらには同じ飛行機や新幹線に乗り込んで過度な接触を図ろうとする行為を確認しており、「状況に応じて法的手続きや警察への相談、ファミリークラブ会員資格喪失を含む厳正な対応を検討する」と強硬な姿勢を示しています。
8月16日にはKis-My-Ft2の藤ヶ谷太輔が自身のInstagramストーリーズで、「精神が削れていっています」「本当にやめて」と迷惑行為による疲弊を訴え、注意喚起を促しました。近年では、ゴスペラーズや東海オンエア、FRUITS ZIPPER、ME:Iなど、多くのタレントが待ち伏せや無断撮影、過剰な接触行為に対して警告を発しており、公共の場でのストーカーまがいの行動は、もはや芸能界全体を巻き込む社会問題となりつつあります。過去には、旧ジャニーズJr.のタレントに対し違法なつきまとい行為を行った女子高校生がストーカー規制法違反で逮捕された事例もあり、問題の深刻さは増す一方です。
カリスマ性ゆえの葛藤:輝かしい活躍と向き合う課題
このような過激なファンへの対応に細心の注意を払いながらも、Snow Manは「SUMMER SONIC BANGKOK」のフェス本番では圧巻のパフォーマンスを披露しました。さらに、8月25日には新曲『カリスマックス』を配信開始し、1990年代〜2000年代のパラパラダンスを現代風にアレンジした高速BPMのラップとキャッチーなメロディ、エネルギッシュなダンスブレイクでファンを魅了しています。
彼らが放つ強烈な「カリスマ性」は、多くの人々を惹きつけ、絶大な人気を集める原動力となっています。しかしその一方で、一部のファンによる過剰な追いかけ行為という現実とも向き合わざるを得ない状況が続いており、輝かしい活躍の陰で、健全なファン活動とアーティストへのリスペクトのあり方が改めて問われています。