ロシア軍が使用するイラン製無人機、迎撃コストは攻撃コストを上回る

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ロシア軍が使用するイラン製無人機の迎撃コストは攻撃コストよりも高価で、ここに攻撃で被害をうけた損害額と復旧費用を加えるとShahed-136がウクライナに与える損失は甚大だ。

まだカウンタードローンシステムには「絶対的なシステム=効果が検証されたもの」が明確に存在しない

ロシア軍は戦術をインフラ攻撃に変更することでウクライナに大きなダメージを与えており、ゼレンスキー大統領は「1ヶ月間で233機のShahed-136を撃墜した」と発表したが、イラン製無人機のShahed-136は「1発必中」の巡航ミサイルとは設計も運用思想も異なるため「233機も撃墜されたShahed-136は攻撃効果が小さい」という意味ではない。

ロシア軍が使用するイラン製無人機、迎撃コストは攻撃コストを上回る

出典:Twitter経由

Shahed-136は制裁の影響を受けにくい部品(携帯電話や模型飛行の部品など)で簡単に製造することができ、製造コストも2.1万ユーロ(Guardian紙は2万~5万ユーロと主張)以下と非常に安価なため、戦場に大量投入することで敵の負担を増やし防空シールドを突破することを意図的に狙っており、投入されたShahed-136の60%(英諜報機関)~80%(ウNGO組織)がウクライナ軍の戦闘機、地上配備型防空システム、携帯式防空ミサイル、対空機関砲など撃墜されている。

つまり100機のShahed-136を投入すれば「最低でも20機は防空シールドを突破して目標に到達できる」という意味で、これに掛かる費用は200万ユーロ(約2.9億円)~500万ユーロ(約7.3億円)に過ぎず、ロシア軍が使用する短距離弾道ミサイル「イスカンデル(推定300万ドル)」で換算すれば2発分にも満たない。

ロシア軍が使用するイラン製無人機、迎撃コストは攻撃コストを上回る

出典:Ministry of Defense of Russia

ウクライナのNGO組織はここ数週間の攻撃で撃墜されたShahed-136の費用を1,166万ドル(約17億円)~1,790万ドル(約27億円)、これを迎撃するために掛かった費用を2,814万ドル(約42億円)と見積もっており、ここに攻撃で被害をうけた損害額と復旧費用を加えるとShahed-136がウクライナに与える損失は甚大だ。

勿論、即時性や確実性が求められる目標への攻撃にShahed-136は向かないが、固定目標を繰り返し攻撃して最終的に破壊できれば良いといったケースならShahed-136の攻撃は非常に有効で、今後2,000機以上の投入が予告されているためロシア軍がShahed-136を使い果たすのは当分先の話になる。

ロシア軍が使用するイラン製無人機、迎撃コストは攻撃コストを上回る

出典:IMA Media 演習に登場したShahed-136

NATOが「近日中に効果的なカウンタードローンシステムをウクライナに提供する」と発表しているものの何をどれだけ提供するのかは不明で、まだカウンタードローンシステムには「絶対的なシステム=効果が検証されたもの」が明確に存在しないため、ウクライナ軍がShahed-136を効果的に阻止できるようになるかは蓋を開けて見るまで分からない。

まぁ上記の話は「ウクライナのインフラ攻撃をShahed-136に限定した乱暴な仮説」で、実際にはイラン製UCAV「Mohajer-6」やロシア製の巡航ミサイルも使用されているため攻撃コストは最も高価になるはずだが、Shahed-136がインフラ攻撃で効果的なのは間違いないだろう。

ロシア軍が使用するイラン製無人機、迎撃コストは攻撃コストを上回る

出典:U.S. Marine Corps photo by Cpl. Jennessa Davey

航空万能論の読者には釈迦に説法かもしれないが、ジャベリンがロシア軍の機械化部隊に絶大な効果を発揮したのは満足な歩兵の支援を伴わなかったためで、HIMARSがロシア軍の兵站を叩くのに絶大な効果を発揮しているのは航空支援を防空システムが拒否する環境が成立したためで、Shahed-136が効果的なのは即時性や確実性が求められない攻撃に使用されているためだ。

つまり戦場の環境や条件に変化が起これば「効果的な兵器」も別のものに変わる=ジャベリン、HIMARS、Shahed-136が常に絶対的ではなく、異なる攻撃手段をバランスよく準備しておくことの重要性は全く失われいない。

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※アイキャッチ画像の出典:dalکاخ/CC BY-SA 4.0

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