セルゲイ・ショイグ露国防相=AP
ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は28日、ウクライナ侵略の兵員を補充するために行った予備役の部分的動員が完了したとプーチン大統領に報告した。ショイグ氏は完了の理由として、目標の30万人に達したことを挙げた。
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露大統領府によると、8万2000人がウクライナに派遣され、このうち4万1000人超が戦闘任務に加わったとショイグ氏は説明した。残る21万8000人は訓練中だとしている。
ショイグ氏はプーチン氏に「追加の任務は計画されていない」と報告した。今後は志願兵や契約軍人だけで兵員を補充する方針を強調し、動員を巡って国内に広がった不安の解消を図った。
ただ、国内第2の都市サンクトペテルブルクでは28日、動員が30日まで続くとの情報が飛び交った。動員完了の大統領令が出るかどうかは不透明で、混乱の火種は依然くすぶっている。9月21日に発令された動員を巡っては、抗議デモが露各地で起き、招集を逃れようと国外に脱出する男性が相次いでいる。
一方、ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は28日のビデオ演説で「ロシアは戦争の継続策を模索している」と警戒感を示し、「ロシアの動員兵は準備や装備が不足し、上官に粗末に扱われている。すぐに動員の第2波が必要になるだろう」と述べた。