ロシア軍の攻撃で炎上するエネルギー施設の消火にあたるウクライナ中部チェルカーシ州の消防隊員=2022年10月31日、ウクライナ非常事態庁提供・ロイター
ロシア軍は10月31日、ウクライナ各地の水力発電所などインフラ施設を狙った数十発のミサイル攻撃を実施した。ロイター通信が伝えた。ウクライナ南部クリミア半島とロシアを結ぶ「クリミア大橋」で10月8日に起きた爆発の後、ロシア側は「報復」として大規模空爆を実施。その後、プーチン露大統領は同様の攻撃を停止する考えを示していた。
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ウクライナのシュミハリ首相によると、31日の攻撃は首都キーウを含む10の地域を標的とし、エネルギー関連を中心とする18施設に損害を与えた。北部キーウ州や中部クレメンチュク、南部オデッサ州やザポロジエ州などの水力発電所が被害を受けた模様だ。
また、キーウ市当局によると、35万世帯が停電となり、水道の供給への影響や携帯電話の通信障害も一部で起きているという。
ロシアは2014年からクリミアを実効支配する。プーチン氏の肝いりで建造された大橋の爆破については、露捜査当局は発生直後に「ウクライナ特務機関の犯行」と断定した。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は10月20日、カナダ・メディアのインタビューで関与を否定し、ロシア内部の対立が背景にあるとの見方を示した。【カイロ真野森作】