予備役の準備状況を視察するロシアのプーチン大統領。2022年10月20日、ロシア・リャザン州で撮影。
イギリスの情報筋によると、ロシアは、新たに動員された予備役の兵士に「ほとんど使えない」ライフルを持たせてウクライナに送ったという。
イギリス国防省によると、これらの兵士の中には、1959年に設計されたという古い自動小銃を使用している者もいるという。
戦場で使用する兵器の種類が異なると兵站に支障をきたす可能性があると言われている。
イギリス国防省は2022年10月31日、ウクライナに派遣されたロシアの予備役部隊が「ほとんど使えない」ライフルを持って前線に到着していると発表した。このことはロシア軍の兵站に新たな負担をもたらす可能性が高いという。
ここ数週間で、新たに動員された数千人の予備兵が戦場に投入されたことをイギリス国防省が最新情報で明らかにした。ロシアのウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領は2022年9月、戦局が悪化していることを明らかにし、数十万人の予備兵軍を部分的に動員することを発表していた。
イギリスの諜報機関によると、多くの場合、これらの予備兵は 「不十分な装備」 でウクライナに到着しており、中には武器を持たずに戦地に送られた者もいたため、ロシア軍の将校たちは懸念を強めているという。
しかし、イギリス国防省は、オープンソース画像を引用して実際に動員された予備兵はAKMアサルトライフル(自動小銃)を支給されていることが多いとしている。AKMアサルトライフルは、旧ソ連の将軍ミハイル・カラシニコフ(Mikhail Kalashnikov)が設計し、第二次世界大戦終了直後の1949年に登場したAK-47に代わる武器として1959年に採用された自動小銃で、その後1970年代にAK-74に置き換えられた。
イギリス国防省は、ロシアの予備役に支給されたAKMライフルの多くは、「保管状態が悪く、ほとんど使用できない状態だろう」としている。
また、AKMアサルトライフルは、AK-12やAK-74Mといった正規の戦闘部隊に配備されている新型ライフルとは、使用する弾薬の種類が異なる。AKMが7.62mm弾を使用するのに対し、AK-12とAK-74Mは5.45mm弾を使用する。
イギリス国防省は、「ウクライナで予備兵と職業軍人および従軍経験者が統合されることは、ロシアの兵站担当者が2種類の弾薬を前線の陣地に配備しなければならないことを意味する」とし、「すでにひっ迫しているロシアの兵站システムをさらに複雑にする可能性が高い」と付け加えた。
Jake Epstein