トランプ前大統領、中ロ印の接近に警鐘「米国はインドとロシアを中国に取られた」

ドナルド・トランプ前米国大統領は、中国、ロシア、インドの首脳が一堂に会する画像を自身のSNSに投稿し、米国がインドとロシアを「暗黒の中国」に奪われたとの見解を示し、国際情勢の複雑化に警鐘を鳴らしました。この発言は、世界的なパワーバランスの変化に対する米国の深い懸念を浮き彫りにしています。

トランプ前大統領は5日、自身のソーシャルメディアプラットフォームに、中国の習近平国家主席を中央に、ロシアのプーチン大統領とインドのモディ首相が両脇を固めて歩く姿の画像を掲載しました。この投稿に添えられたメッセージでは、「アメリカはインドとロシアを暗黒の中国に取られてしまったようだ。彼らがともに長く繁栄した未来を築きますように!」と述べ、皮肉を込めた形で中露印の連携強化に言及しています。

中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、インドのモディ首相が並んで歩く様子。米国のトランプ氏が指摘した中露印の連携強化を示す象徴的な画像。中国の習近平国家主席、ロシアのプーチン大統領、インドのモディ首相が並んで歩く様子。米国のトランプ氏が指摘した中露印の連携強化を示す象徴的な画像。

上海協力機構(SCO)首脳会議と中露印の接近

この画像は、先月31日に中国・天津で開催された上海協力機構(SCO)の首脳会議で撮影されたものと見られています。同会議には、プーチン大統領やモディ首相も参加し、習主席は米国が主導する現在の国際秩序に対抗する姿勢を鮮明にしました。SCOはユーラシア大陸の安全保障・経済協力枠組みであり、中露が主導権を握ることで、西側諸国とは異なる国際的な連携を深めようとしています。

インドの対中姿勢変化の背景

長年にわたり、インドは国境問題を巡って中国と激しく対立してきました。しかし、トランプ前政権が先月、インドからの輸入品に対する追加関税を50%まで引き上げたことが、インドの外交政策に大きな影響を与えたと見られています。米国の圧力に対抗するため、インドが中国との関係改善に歩み寄る姿勢を見せていることは、国際的な地政学的バランスが変化している現実を示唆しています。

結論

トランプ前大統領のSNS投稿は、米国の外交的影響力に対する懸念と、変化しつつある世界秩序への警鐘として受け止められます。中露印の連携強化は、既存の国際秩序に新たな課題を突きつけるものであり、今後の国際情勢の展開に大きな注目が集まります。

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