ウクライナに新作壁画7点、バンクシーが確認


ウクライナに新作壁画7点、バンクシーが確認

ウクライナに登場した作品について、バンクシーが自身のものであることを認めた

【映像】小柄な少年が大人の男性を投げ飛ばす姿を描いた作品

解放されたボロジャンカの市内では、バンクシーの作品と思われる壁画が相次いで出現。バンクシーはアート・ニューズペーパーの取材に対し、このニュースを確認した。同市はウクライナの首都キーウの約56キロ北西に位置する。ほかにもキーウなどの各地で作品が見つかっている。

最初に発見された作品は、ロシアの攻撃によって破壊されたビルの横のがれきの山の上でバランスを取る女子体操選手を描いたもので、先の週末にかけて話題になった。

この落書きアーティストは11日、3点の画像をSNSに投稿。キャプションにはボロジャンカの代替のつづりを使って「Borodyanka, Ukraine」とのみ記されていた。

別の作品には、柔道着に黒帯を締めた小柄な少年が、大人の男性を仰向けに投げ飛ばす姿が描かれている。その姿はロシアのウラジーミル・プーチン大統領を連想させるとの声もあるものの、バンクシーはこの像についても、その意味についても公にはコメントしていない。プーチン大統領は今年、国際組織ワールドテコンドーから名誉の黒帯を剥奪(はくだつ)されていた。

ほかにも、金属製の対戦車障害物をシーソーとして使う2人の子どもを描いた作品や、ヘアカーラーとガスマスクを着けた姿で消火器を持つ女性を描いた作品もある。

ボロジャンカはロシアによるウクライナ侵攻が始まった当初、特に激しい空爆や砲撃を受け、長距離攻撃によって多くの建物ががれきの山と化した。戦争前は1万3000人が暮らしていたが、ほとんどはロシアの侵攻を受けて避難した。市内に残されていたものは、2月28日に侵攻したロシア軍によって占拠された。

同市はウクライナ軍が4月1日に奪還した。住民が戻ってみると、自宅は荒らされ、商店は破壊されて窓ガラスが割られ、中身が盗まれていた。市はその後、再建の取り組みに力を入れ、戦闘によって損壊した高層ビルが解体されている。

バンクシーの作品が出現したのは、この謎めいたアーティストが英国の海沿いの多数の街に特徴的なポップアートを残した昨年夏の「グレート・ブリティッシュ・スプレーケーション」以来、初めてだった。

バンクシーは昨年、社会・政治運動支援の募金活動にも力を入れた。英国の医療介護団体のためオークションに出品した絵画は過去最高の2310万ドルで落札された。Tシャツ販売では英ブリストルで奴隷取引商人エドワード・コルストンの像を倒して逮捕された人種差別反対の活動家を支援した(活動家は1月に不起訴となった)。

体操選手の壁画が自身の作品だったことをバンクシーが確認すると、ウクライナや支援国から感謝のコメントが多数、SNSに寄せられた。

「これは我が国にとって歴史的瞬間だ。バンクシーのような有名人がここに来て、ロシアが私たちにしたことを世界に見せつけてくれている」。キーウの住民がアルジャジーラの英語放送にそう語る映像が13日、ツッターに掲載された。



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