【コラム】豊山犬返還騒動で浮き彫りになった大韓民国憲法の落とし穴


【コラム】豊山犬返還騒動で浮き彫りになった大韓民国憲法の落とし穴

(写真:朝鮮日報日本語版) ▲写真提供=青瓦台

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 米国は大統領が受け取る年金に税金を課す。韓国の年金所得者も税金を払う。だが、韓国の大統領経験者は税金を払わない。約50年前の所得税法改正時に追加された免税条項がそのままになっているからだ。なぜ恩恵を与えるのか、理由を知る人はいない。他国の大統領夫人たちがうらやむ超特別待遇の追加的な恩恵もある。生涯支給される遺族(配偶者)年金で、大統領が死亡すれば大統領給与の70%程度が与えられる。今の基準では月1000万ウォン(約107万円)以上もらえることになる。殉職した消防公務員の遺族に支給される年金は、生前に受け取っていた給与の55-65%であることを考えると、金額が高すぎる。米国では大統領経験者が死去すると、配偶者年金を年2万ドル(約280万円)に減らす。私的年金の方がいいとして、ほとんどが受け取りを辞退するとのことだ。

 韓国は憲法(第85条)で大統領経験者への礼遇を明記しているまれな国でもある。軍事独裁時代だった1987年に書き加えられた。これに関連して問題があると指摘し続けている西江大学公共政策大学院のイ・ギョンソン教授は「チリを除き憲法で定めたケースは見つからなかった」と言った。同教授は先日の電話取材に「命を犠牲にした公職者や義人より、選挙で選んでくれといって仕事をすることになった大統領経験者の方が礼遇されるのは妥当なのだろうか」と問いかけた。「大韓民国憲法第11条2項は『社会的特殊階級は認められない』と規定している。王政を捨てた韓国が、死ぬまで税金で優遇する大統領経験者という特殊階級を憲法で保障するとは。権威主義政権の痕跡が放置され、残ってしまった汚点だ」とも言った。国会議員の年金はこうした問題により10年前に既に廃止されている。



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