強盗犯、大統領の別荘で「裏金」発見 クリーンが売りの南ア政権窮地

[ad_1]

強盗犯、大統領の別荘で「裏金」発見 クリーンが売りの南ア政権窮地

スキャンダルが発覚した南アフリカのラマポーザ大統領=AP

 事件は2020年2月9日、首都プレトリアの北約110キロの牧場内にあるラマポーザ氏の別荘で起きた。侵入した複数の強盗犯が革製ソファの中に多額の米ドル札が隠されているのを見つけ、持ち去った。被害総額は不明だが、数億円相当に上るとの見方が出ている。ラマポーザ氏本人は当時、アフリカ連合(AU)の首脳会合でエチオピアにおり不在だった。

 当初事件は全く公表されなかったが、今年6月、政府の情報機関トップも務めた男性が疑惑を地元メディアに暴露した。国民的関心を呼んだため、南ア国会が独立委員会を設けて調査を進め、11月30日に報告書を公表した。

 ラマポーザ氏側は牧場で飼っていた牛20頭を19年12月にスーダン人の男性実業家に売却し、代金として58万ドル(約7900万円)を現金で受け取って別荘で保管していたと説明している。ところが牛は実際には実業家の手に渡っていない上、実業家が南アに外貨を持ち込む際に税関に申告した形跡もなかった。さらにラマポーザ氏には事件の発覚を免れるため、警察に正規のルートで被害を申告せず、大統領警護隊の幹部に容疑者の捜査や逮捕を命じた疑いも持たれている。

 告発者は別荘から盗まれた現金は最大で800万ドル(約11億円)に上る可能性があり、大統領側近がサウジアラビアやエジプト、モロッコなどから違法に持ち込んだものだと訴える。スキャンダルにはラマポーザ氏の追い落としを狙う政治対立が背景にあり、発覚当初はラマポーザ氏を擁護する声も根強かった。

 ただ調査委は報告書で、「資金の出所が不明」などと大統領の説明不足を強く批判。野党のみならず与党・アフリカ民族会議(ANC)内からも辞職を求める声が出ている。

 ANCは元々、人種隔離政策(アパルトヘイト)への反対闘争で黒人の支持を集め、政策撤廃後は一貫して政権を担ってきた。ただ初の黒人大統領となったネルソン・マンデラ氏を除くと幹部に汚職疑惑が絶えず、ズマ前大統領もインド系富豪との癒着が原因で辞任に追い込まれた。18年に就任したラマポーザ氏は「クリーン」が売りだったが、国民の信頼をつなぎ留められるかは不透明だ。【ヨハネスブルク平野光芳】

[ad_2]

Source link