ウクライナ南東部マリウポリで2022年11月30日に人工衛星から撮影された施設の画像。屋上には「ロシア軍」「マリウポリの住民のために」とロシア語で書かれている=米マクサー・テクノロジーズ撮影、ロイター
ウクライナ侵攻後、ロシアが占拠している南東部の港湾都市マリウポリで、露軍の軍事施設とみられる大型の建物が新たに建設されていることが、米宇宙開発企業マクサー・テクノロジーズが撮影した衛星画像で明らかになった。反転攻勢を強めるウクライナ軍に対し、露軍の劣勢ぶりが伝えられているが、ロシアは、支配下にある地域では影響力を強めようとしている模様だ。【金森崇之、菅野蘭】
英BBCが伝えた。マリウポリは2022年2月の露軍の侵攻開始直後から激しい攻撃にさらされ、5月に露軍の支配下に落ちた。ウクライナ軍はその後、反転攻勢を各地で強め、南部ヘルソン州などでロシア側から支配地を取り戻している。
マクサー社が22年11月末に撮影したマリウポリの衛星画像では、屋上にロシア語で「АРМИЯ РОССИИ(ロシア軍)」と書かれた大規模な施設が新たに造られた様子が確認された。春の戦闘で破壊された劇場では、周りに新たに囲いが設置された。空爆で一部が破壊されていた集合住宅はその後、完全に解体されたことが確認された。BBCによると、露軍が修理不可能な住宅を解体し、新たな建物を造ろうとしている可能性があるという。