米政権、ウクライナからクラスター弾供与の要請受ける


米政権、ウクライナからクラスター弾供与の要請受ける

ロシアの多連装ロケットシステム(MLRS)から拡散されたクラスター弾=10月21日、ウクライナ・ハルキウ

【画像】畑に着弾したクラスター弾

米国やウクライナの複数の当局者がCNNに明らかにした。2月の開戦以降にウクライナが米国に行った要求の中で最も物議を醸すものの一つとなる。

バイデン政権の当局者は数カ月にわたって要求を受けているが、完全拒否はしていないという。

クラスター弾は設計上、正確性に欠け、広範囲に「子弾」をまき散らす。こうした子弾は着弾時に爆発しない場合があり、地雷と同様、遭遇した人が被害に遭う長期的なリスクを及ぼしうる。

米高官はこれまで、ロシアとの交渉で優位に立つのに必要な支援を可能な限り行うと表明してきた。ただ、欧米の軍装備品は無限にあるわけではなく、弾頭の在庫が減少する中、ウクライナは米国に倉庫でほこりをかぶっているクラスター弾を使用することも可能だとの考えを明確に伝えたという。

ウクライナはクラスター弾の供与を受けることで、2つの大きな問題に対処できる可能性がある。米国や他国から供与された火砲やロケットシステムの弾頭を増やす必要があるほか、火砲の数で優位に立つロシアとの差を埋める方法にもなる。

バイデン政権は在庫不足が危険な水準に差し掛かった場合、最後の手段としてクラスター弾を供与する選択肢を排除していない。ただ、複数の情報筋によると、米連邦議会がクラスター弾の供与に法令上の制限をかけていることが主な要因となり、今のところ本格的な検討はなされていないという。

ロシアによる2月の侵攻以来、ウクライナとロシアの双方がクラスター弾を使用している。ただ、人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチの調査によると、ロシアの方が使用頻度は高く、公園や診療所、文化センターを含む民間目標に使用しているという。

クラスター爆弾の使用が否定的に受け止められていることについて聞かれ、ウクライナの当局者は、ロシアのクラスター弾に対する反撃にしか使用しないと即答。「米国が懸念しているのは巻き添え被害だ。我々はロシア軍に対して使用するのであって、ロシア国民相手には使用しない」と述べた。

CNNはウクライナ大統領府と国防省に別個に問い合わせを行った。大統領府からは国防省に照会するよう指示があった。国防省はCNNに対し、特定の兵器や弾薬に関する報道にはコメントしない方針であり、対外的な発表を行うのは供給元と合意に達した後だとした。

米国、ウクライナとも2010年発効のクラスター爆弾禁止条約には署名していない。



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