デイブ・グロール、来日公演で桂九雀Tシャツ着用!世界的ロックスターと日本文化の予期せぬ融合

10月中旬の昼下がり、東京駅の新幹線ホームには、異国情緒あふれる一団の中に、ひときわ目を引く人物がいました。キャップにメガネ、そして特徴的な髭をたくわえたその男性こそ、世界的なロックバンド『フー・ファイターズ』のフロントマン、デイブ・グロール(56)です。彼らの17年ぶりとなる単独日本ツアーが日本各地で熱狂を巻き起こす中、神戸での公演でデイブが着用した一枚のTシャツが、日本のソーシャルメディアを大きく賑わせ、国際的なロックスターと日本の伝統文化の予期せぬ繋がりが大きな話題となっています。

フー・ファイターズ来日、日本のファンを熱狂させた伝説のロックスター

この日、東京駅で神戸行きの新幹線を待つデイブ・グロールの一団は、翌日に控えた兵庫・ジーライオンアリーナ神戸での公演へと向かう途中でした。デイブ・グロールは、オルタナティブ・ロックの金字塔を打ち立てた伝説的バンド『ニルヴァーナ』のドラマーとしてそのキャリアをスタートさせました。1994年のフロントマン、カート・コバーンの死に伴うバンド解散後、彼は同年秋に『フー・ファイターズ』名義で、ドラム、ギター、ベースの全てを一人で演奏したアルバムをリリース。その後バンドメンバーを集め、自身はギターとボーカルを担当し、世界的な成功を収めてきました。2001年にはアルバム『ゼア・イズ・ナッシング・レフト・トゥ・ルーズ』でグラミー賞最優秀ロック・アルバム賞を受賞して以来、これまでに31回ノミネートされ、15回もの受賞歴を誇ります。アルバム総セールスは3200万枚を超え、その圧倒的な存在感を世界に示しています。日本でも1997年のアルバム『ザ・カラー・アンド・ザ・シェイプ』に収録された『Monkey Wrench』が、2005年に麒麟麦酒『極生』のCMソングに起用され、広く知られるようになりました。

東京駅の新幹線ホームでキャップとメガネ姿のフー・ファイターズのデイブ・グロール東京駅の新幹線ホームでキャップとメガネ姿のフー・ファイターズのデイブ・グロール

神戸公演を飾った「KUJAKU」Tシャツのサプライズ

今回の来日ツアーは、昨年結成35周年を迎えたフー・ファイターズにとって、2008年以来実に17年ぶりの単独公演であり、埼玉・さいたまスーパーアリーナと兵庫・ジーライオンアリーナ神戸の二箇所で開催されました。その神戸公演のステージ上で、デイブ・グロールが着用していたTシャツが、観客だけでなく日本の各方面に大きな驚きをもたらしました。そのTシャツには「KUJAKU」のロゴと共に、日本の落語家・桂九雀(64)さんのイラストがデザインされていたのです。この出来事に対し、桂九雀さんご本人が自身のX(旧Twitter)アカウントで「フー・ファイターズという歌い手さんが、今日、これを着てコンサートをなさったそうです」と投稿したところ、87万を超えるインプレッションを記録し、瞬く間に大きな話題となりました。このユニークなTシャツは、児童書『落語少年サダキチ』(田中啓文著)の全5巻発売を記念して、福音館書店とTSUTAYAのコラボレーション企画で制作されたものだと言います。世界的ロックスターと日本の落語という、異色の組み合わせに多くの人が関心を寄せました。

ライブステージ上で桂九雀イラストTシャツを着用し熱唱するフー・ファイターズのデイブ・グロールライブステージ上で桂九雀イラストTシャツを着用し熱唱するフー・ファイターズのデイブ・グロール

SNSで広がる興奮と次なる「九雀Tシャツ」ブームの予感

東京駅でデイブ・グロールが目撃された際、彼はデニムシャツを羽織っていましたが、その首元からは“九雀Tシャツ”と同色のインナーが覗いており、神戸公演以前からこのTシャツを着用していた可能性も指摘されています。このサプライズを受けて、SNS上では「めちゃくちゃ欲しい」「これから爆売れするでしょう」といった投稿が相次ぎ、ファンたちの間で大きな興奮が広がっています。公演では、デイブ・グロールが超満員の観客を圧倒的なパフォーマンスで熱狂させたことは言うまでもありませんが、次回フー・ファイターズが来日する際には、ライブ会場が桂九雀Tシャツを身につけたファンで埋め尽くされるかもしれません。この予想外のクロスオーバーは、日本の文化が世界へと広がる新たな可能性を示唆すると共に、ファンにとっても忘れられない思い出となったことでしょう。


参考文献: