(FNN プライムオンライン)
自分に点滴をしながら、治療に当たる病院の医師。
新型コロナの感染が拡大する中国では、医療現場に患者が押し寄せている。
【画像】コロナ感染拡大で医療崩壊…「死因も隠蔽?」市民に高まる不信
医療スタッフ自らも点滴しながら対応
ゼロコロナ政策の崩壊以降、中国各地で深刻化しているとみられる医療現場のひっ迫。
今、中国のSNSには、その内情を捉えたとみられるさまざまな動画が投稿されている。
湖北省とみられる病院で、防護服を着た医療スタッフが患者に点滴を打つ映像。
よく見ると、点滴が2つある。
そのうちの1つは、医療スタッフ自身につながっているもの。
医療スタッフは、自らも点滴を受けながら患者に点滴をしていたのだ。
また、四川省とみられる別の病院では、医師が子供を診察。
しかし、医師は見るからに辛そうな動きを見せている。
すると、意識を失ったようにぐったりと後ろに倒れ込んでしまった。
診察を待つ人も驚いた様子で見守る中、倒れた医師はすぐに担ぎ出されていった。
ゼロコロナ政策の緩和以降、医療スタッフが体調不良に見舞われながらも、患者への対応に追われる状況が各地で増えているとみられる。
感染爆発への不安から、医療機関に押し寄せ続ける人の波。その混雑ぶりは、満員電車以上に見える場所もある。
さらに、病院が開くと同時に、少しでも早く診察してもらおうと、激しい場所取り合戦が繰り広げられる病院もあった。
“重症かぜ”ってなんなの?…死因に疑問
12月22日朝、北京の朝陽病院を訪れると、続々と中に人が入っていく。
この呼吸器系の治療で有名とされる病院の発熱外来では、12月21日の1日だけで約900人の患者が受診。ICUの病床使用率も100%だという。
病院に訪れた人に話を聞くと…
患者の家族:
発熱外来はどこも混雑していて、点滴のスペースすらありません
患者の家族:
いまは予約さえ難しい。診察や薬の問題どころではないんです
こうした中、中国のネット上では、ある人物の死因が話題になっている。
2008年の北京オリンピックのマスコットキャラクターの生みの親として知られる、名門・清華大学の呉冠英教授。
中国メディアは、12月20日午前に亡くなった呉さんの死因を「重症かぜ」と報道。
この病名に、中国のSNS上では疑問の声が噴出している。
「“重症かぜ”ってなんなの?」
「素直に新型コロナだと認めず、重症かぜとでっち上げ。あんたたちは何をおびえているんだ?」
死因の隠蔽疑惑にまで高まる不満。
中国当局は、新たに新型コロナによる12月21日の死者について、「全国で0人」だったと発表している。
(「イット!」12月22日放送より)
イット!