戦車のウクライナ提供が遅れる理由、保有する戦車の状況を把握していなかった

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戦車のウクライナ提供が遅れている問題について英国のウォレス国防相は「多くの国が政治決定後に保有する戦車の状況を把握した。書類上の上で戦車を保有しても『実際に運用可能な数は極わずか』という現実にようやく気がついた」と明かした。

散々批判されたドイツは英国と同じように部隊が運用中のレオパルト2A6を引き出すため、3月末までにウクライナへ引き渡す

NATO加盟国は「ドイツはレオパルト2のウクライナ移転を承認すべきだ」と迫り、少なくない加盟国が提供に関する合意が形成されれば「レオパルト2を提供してもよい」と主張もしくは示唆していたものの、いざゴーサインが出ても集まりが悪く、ドイツのピストリウス国防相は「約束通りレオパルト2をウクライナに提供するのは難しい」と明かし、比較的新しいレオパルト2で構成される戦車大隊は定数(31輌)に届かない17輌か18輌編成になる見込みだ。

戦車のウクライナ提供が遅れる理由、保有する戦車の状況を把握していなかった

出典:Bundeswehr/Ralph Zwilling

そのためピストリウス国防相やベアボック外相がミュンヘン安全保障会議で「この種の戦車を提供できる国は直ぐ行動すべきだ」と呼びかけ、ショルツ首相も「パートナーの提供決断を後押しするためドイツ国内での訓練、物資やロジスティクスの面でも支援を提供するなどあらゆる対策を講じてきた」とレオパルト2保有国に訴えているが、この問題について英国のウォレス国防相は「多くの国が(ウクライナに対する戦車供給の)政治決定後に保有する戦車の状況を把握した」と述べて注目を集めている。

ウォレス国防相は「ウクライナに対する戦車供給の政治的合意がある。しかし多くの国は直ぐ運用可能な戦車の数を把握していなかったのだ。過去の政治家が戦車を倉庫に放り込んで放置していたため、ウクライナに届ける戦車の準備が出来ていない、もしくは送り届ける前に大規模な修理が必要なことを理解していなかった。各国は書類上の上で戦車を保有しても『実際に運用可能な戦車は極わずか』という現実にようやく気がついたのだ」と明かした。

戦車のウクライナ提供が遅れる理由、保有する戦車の状況を把握していなかった

出典:Ministry of Defence UK

さらに「ウクライナに提供するチャレンジャー2は倉庫から取り出したのではなく直ぐ運用可能なものを部隊から引き出した。結局のところ戦車の早期提供を実現できるかどうかは(ウクライナ支援で自国の安全保障にリスクを受け入れる)政治的決断にかかっており、まさに今がその時だ。これは戦車だけでなく弾薬や他の装備品にも同じことが言える」と付け加えている。

つまり多くのNATO加盟国は「ウクライナに西側製戦車を提供するべきだ」と主張してドイツにレオパルト2移転を迫ったが、いざゴーサインが出ると「直ぐ運用可能な戦車」が手元に少ない事実に気づき、部隊が運用中の戦車ではなく保管中の戦車をウクライナ支援に充てがったため「予想以上に時間が掛っている」という意味だ。

戦車のウクライナ提供が遅れる理由、保有する戦車の状況を把握していなかった

出典:böhringer friedrich/CC BY-SA 2.5

因みに散々批判されたドイツは英国と同じように部隊が運用中のレオパルト2A6を引き出すため、3月末までにウクライナへ引き渡せると説明している。

追記:ラインメタルがF-35の中央胴体を国際需要向けに製造することでロッキード・マーティンと合意した件に続報があり、どうやらラインメタルは最大400機分の中央胴体製造を行うらしい。

独ラインメタル、国際需要向けにF-35の中央胴体製造で米LMと合意
ドイツ国防相、約束通りレオパルト2をウクライナに提供するのは難しい

 

※アイキャッチ画像の出典:Photo: SGM Marco Dorow, German Army

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