8月25日投開票の知事選に5選不出馬を表明した上田清司知事(71)が産経新聞の単独インタビューに応じた。県の赤字事業の黒字転換や県債の縮小など県政改革を断行した一方、自ら定めた3期12年の多選自粛条例を破り、県議会最大会派の自民党との対立を深めた4期16年の県政運営。「行政は経営」「民の力の結集」という視点を柱に「全力疾走してきた」と振り返った。(黄金崎元)
--5選不出馬表明から3週間近く。改めて今の心境は
「辞めないでくれという声が多い。しかし、私の妻が『辞めてくれ』と言っていたし、子供や愛犬も母親(妻)を“応援”し、家庭内で孤立無援となった。家庭の幸福のためには私が降伏するしかなかった」
--ただ、対立する自民党県議団には降伏しなかった
「相変わらず、変なことをしている。国会議員の人たちは私との意見交換会に出席している。多くの県議も地元ではツーショット写真を撮っているが、一部の偏った方が牛耳っており、県議会に来ると、いつもと違う感じになってしまう。かわいそうだ」
--県政運営に関してだが、最も印象に残っていることは
「全力疾走してきたので一つ一つが印象に残っている。すべてがなるべくしてなるようにしてきたので極端な感激はない。直近ではラグビー日本代表と南アフリカ代表の壮行試合を熊谷に誘致できてうれしかった。(群馬県の)八ツ場ダム建設中止に対する批判や、多選自粛条例を破ったといわれたことも印象深い」