チェコ大統領、ウクライナ軍の大規模な反攻は1度きりで失敗すれば次はない

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チェコ軍参謀総長やNATO軍事委員長などを務め、2023年の選挙で大統領に当選したペトル・パベル氏は「数ヶ月以内にウクライナ軍の反攻が必ず行われるが、これが失敗すれば次回の反攻に必要な資金や物資を得ることは困難になる」と指摘した。

ウクライナ軍の反攻作戦が失敗もしくは期待を下回る成果しか提示できな場合、次はない

ポーランドメディア(Rzeczpospolita紙)の取材に応じたパベル大統領に「いくつかの西側諸国は戦争を止めるためウクライナの領土放棄が必要だと考えているのではないか?」と質問、これにパベル大統領は「領土の一部を放棄する譲歩を私が勧めることは絶対にない。もしウクライナが自ら放棄を決めるなら、それは彼らの決断で周囲が譲歩を押し付けるべきではないし、逆に最後の1人まで戦うことを勧めるべきでもない。我々は可能な限り支援を行うが、将来の計画を与えることはできない」と述べた。

チェコ大統領、ウクライナ軍の大規模な反攻は1度きりで失敗すれば次はない

出典:Petr Pavel

さらに「あらゆる種類の武器をウクライナに与えるのか?」という質問についてパベル大統領は「彼らの目標達成に役立つものなら何でもいい。全領土の解放が目標なら必要な全てを与えよう。ただ現実的には西側諸国の支援にもウクライナも人的資源にも限界がある。さらに米国で大統領選挙が来年行われることも受け入れなければならず、過去の選挙を見ればわかるように大統領選で国民も政治家も国内問題に重点を置く。もし選挙戦で国際的なテーマが争点になる場合、それは欧州ではなくアジア(対中国)になるだろう」と指摘。

現実的な政治問題を加味した上で「来年の米国はウクライナへの関心や支援水準が下がるかもしれない。そして米国の関与が低下すれば多くの欧州諸国もそれに習うはずだ。予定されているウクライナ軍の反攻は数ヶ月以内に必ず行われる。現在の支援レベルを今年の冬以降も維持するのは極めて困難で、戦争による疲労はウクライナだけでなく支援国にも広がっており、多くの支援国やその政治家達は年内に何らかの進展を期待している。そのためウクライナ軍の大規模な反攻は1度きりになるだろう。これが失敗すれば次回の反攻に必要な資金や物資を得ることは困難になる」と言及している。

チェコ大統領、ウクライナ軍の大規模な反攻は1度きりで失敗すれば次はない

出典:Jorchr/CC BY-SA 3.0 Stridsvagn122

ウクライナ軍にしてもロシア軍にしても「2023年中に戦略的な勝利を達成するのは不可能だ=戦力的にロシア軍を完全に追い出すことも、キーウをなど占領して軍事的に屈服させることも実現不可能」というのが一般的な評価で、2024年に大統領選挙を控える米国から「来年以降の戦争継続」や「次の反攻作戦に必要な武器や物資」を引き出すには「今年の反攻作戦」で成果を示す必要があり、これに失敗もしくは期待を下回る成果しか提示できない場合「次はない」という意味だ。

もうすぐウクライナは1発勝負の反攻作戦を開始し、我々はそれを目撃することになる

ウクライナ軍が準備している反攻作戦のD-dayが何時なのかは誰にも分からないが、ロシア軍は部分的な動員によって「戦力密度が極端に低い地域」を是正済みで、ザポリージャ州からルハンシク州まで何十重もの強化された塹壕、障害物、防衛陣地を構築しており、昨年のような奇襲的もしくは電撃的な作戦(ハルキウ州の反撃)を実行するのは不可能に近く、正面からぶつかってロシア軍から軍事的勝利をもぎ取らなければならない。

Economist紙によればウクライナ軍は反攻作戦のために「6個旅団で構成された諸兵科連合に基づく軍団(2万人以上)」を3つ編成中で、ウクライナのポドリャク大統領府顧問は「2ヶ月以内に編成が完了するだろう」と述べている。

米軍の関係者も「D-dayがいつ来るのかは不明だが4月までには反攻作戦が始まる」と見ており、恐らく反攻作戦には「海外で準備した西側製戦車・歩兵戦闘車を装備する計18個旅団/3個軍団=6万人以上」と「国内に残る予備戦力」をかき集めたものが投入され、4月30日までにザポリージャからドネツクの間の何処かからアゾフ海を目指して南下する可能性が最も高い。

チェコ大統領、ウクライナ軍の大規模な反攻は1度きりで失敗すれば次はない

出典:Генеральний штаб ЗСУ

もうすぐウクライナは1発勝負の反攻作戦を開始し、我々はそれを目撃することになる。

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※アイキャッチ画像の出典:Petr Pavel

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