低率初期生産が始まったXQ-58A、米海兵隊はF-35Bとの組み合わせに関心

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クラスト社が開発したXQ-58Aの低率初期生産が始まり、米空軍だけでなく米海兵隊もXQ-58Aを取得する予定で、滑走路運用に依存しないF-35BとXQ-58Aの組み合わせに関心があるのではないかと噂されている。

技術の開発速度は投資額に比例するため無人戦闘機の実用化時期は「遠い未来の話」ではなく「どんどん近づいている」と考えるのが妥当

一昔前の軍用機開発における花形と言えば「有人戦闘機」を指していたが、既に開発中心は有人機から無人機に移行しつつあり、米空軍は協調戦闘機(Collaborative Combat Aircraft=CCA/有人戦闘機に随伴する無人戦闘機)について「1機の有人機に2機のCCAを用意するためCCAのサイズは1,000機になる」と明かし、米海軍も空母航空団の無人機と有人機の比率について「40%-60%(最終的に60%-40%に持っていく構想)」と具体的な数字を上げ、多くの企業が「将来性」や「潜在的な需要」を見込んで投資を強化している。

低率初期生産が始まったXQ-58A、米海兵隊はF-35Bとの組み合わせに関心

出典:U.S. Air Force/A Skyborg conceptual design for a low cost attritable Unmanned Combat Aerial Vehicle

クラスト社の最高経営責任者を務めるエリック・デマルコ氏は第1四半期の決算報告の中で「XQ-58Aの開発・生産及び受注状況」「新型無人機の開発」「自社資金を投入したDark Furyプログラム」に言及、防衛産業界だけでなく投資家からも大きな注目を集めており、近い将来に無人機が戦力規模で有人機を追い越すのは確実な状況だ。

オクラホマ・シティに完成したクラスト社の生産拠点でXQ-58Aの低率初期生産が始まっており、LOT1(XQ-58A Block1)12機の生産を終え、現在はLOT2(XQ-58A Block2)12機の生産に入った段階で、デマルコ氏は「Block1と比較してBlock2はより高い高度を長時間飛行できるようになった」と説明したが、LOT2で生産される半分以上は「Block2B」に変更され、顧客や要求した新たな追加機能が組み込まれるらしい。

低率初期生産が始まったXQ-58A、米海兵隊はF-35Bとの組み合わせに関心

出典:EGLIN AIR FORCE BASE

低率初期生産機の機体単価は650万ドルだが、生産量が年間50機になれば400万ドルになり、年間100機以上ならXQ-58Aの機体単価は200万ドルを下回る可能性があり、海軍も2023年に2機のXQ-58Aを購入すると発表したのだが、この購入は海兵隊の要求によるもので「滑走路運用に依存しないF-35BとXQ-58Aの組み合わせ」に関心があるのではないかと噂されているが、空軍も海軍も海兵隊もF-35の電子戦能力を強化を望んでいるため、MADLを搭載しているXQ-58Aは理想的なプラットホームだと考えられている。

高度な防空システムが作動する環境下での運用を想定して開発されたF-22とF-35は敵に傍受されやすい戦術データリンク「Link-16」ではなく、秘匿性の高い通信プロトコル(F-22はIFDL/F-35はMADL)を採用しており、MADLを通じてF-35とデータを共有できるXQ-58Aは「追加の電子戦装置を戦場空域に運搬するのに適している」という意味だが、クラスト社の将来性はXQ-58Aだけに依存しているわけではない。

低率初期生産が始まったXQ-58A、米海兵隊はF-35Bとの組み合わせに関心

出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist 3rd Class Drew Verbis/Released

同社のゴースト・ワークスは競合企業がまだ存在を知らない「新しいシステム」を開発中で、デマルコ氏は「既に飛行テストが始まっており、我々の競争相手や潜在的な敵対者は絶対にこの存在に気がついていない」と自信満々に述べ、オクラホマ・シティの生産拠点は3つのシステム(XQ-58A以外は不明)を同時に生産しているため、米ディフェンスメディアは「謎の無人機が既に生産されてる可能性もある」と指摘している。

さらにデマルコ氏は「来年に初飛行を予定しているDark Furyプログラムに自社資金を投資している。これはクラスト社が開発に関与している米空軍研究所主導の極秘プログラム『Mayhem(スクラムジェットを使用した多目的極超音速ミサイル)』とは別のプログラムだ」とも言及し、この分野における積極的な先行投資を強調しているのが印象的だ。

低率初期生産が始まったXQ-58A、米海兵隊はF-35Bとの組み合わせに関心

出典:USAF Air Force Research Laboratory AFRLが作成したスカイボーグ・プログラムのイメージ

デマルコ氏は「国防総省が主導する将来防衛計画(Future Years Defense Program=FYDP)の枠組み内で空軍が約60億ドルの資金を要求している」と明かし、航空戦力の近代化を推し進める上で「無人機」は不可欠な要素で「最終的に空軍のCCA調達は1,000機ではなく2,000機程度になる」と予想しており、米空軍はCCAの調達コストを1機2,000万ドル~4,000万ドルと見積もっているため「最低40億ドル」の直接投資を見込んでいるのだろう。

資金を投資すれば「必ず無人戦闘機が実用化できる」とは言えないが、技術の開発速度は投資額に比例するため「まだまだ実用化は遠い未来の話」ではなく「実用化の時期はどんどん近づいている」と考えるのが妥当で、米国に続きオーストラリア(MQ-28)やトルコ(Kızılelma)でも無人戦闘機のプロトタイプが飛び始めており、間もなくトルコは2機種目の無人戦闘機「ANKA-3」が初飛行に挑戦する予定だ。

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結局のところトルコが無人戦闘機の分野でトップグループに属しているのはUAVやUCAVの開発経験=投資が豊富なためで、やはり投資で先行した国が無人機分野のシェアを掻っ攫っていくのだろう。

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※アイキャッチ画像の出典:EGLIN AIR FORCE BASE

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