韓国の対外取引でおさめた実績を示す経常収支が、今年の第1四半期（1～3月）中に44億6千万ドルを超える赤字を記録し、2006年以来17年ぶりに最大の赤字となったことが報じられた。この赤字は、輸出額と輸入額の差を示す商品収支で史上最大の赤字が発生したことが大きく影響している。
韓国銀行が10日に発表した「2023年3月国際収支（暫定）」によると、3月の経常収支は2億7千万ドルの黒字を記録した。しかし、第1四半期基準の経常収支を見てみると、昨年148億8千万ドルの黒字から今年は44億6千万ドルの赤字に転じたため、年間200億ドル台の経常収支黒字達成は難しいと予想される。
第2四半期以降で輸出が回復しない限り、韓国政府と韓国銀行が予想する今年の年間200億ドル台の経常収支黒字達成は困難なものとみられている。
商品収支の急激な悪化が目立ち、第1四半期中に輸出が大幅に減少し、商品収支だけで97億4千万ドルの赤字を出したため、第1四半期基準で2001年以後一度も黒字を出したことがないサービス収支も、昨年第1四半期の5億7千万ドルの赤字から今年は72億ドルの赤字へと1年間で赤字幅が12.6倍も大きくなっている。
第一次所得収支は、第1四半期に過去最大の133億1千万ドルの黒字を記録した。中でも配当所得収支が113億3千万ドルの黒字で、第一次所得収支黒字の85%を占めている。今年1月から国外現地法人から入ってくる配当収益に対し、法人税減免の恩恵を施行したことで、大幅な第一次所得収支黒字の効果をもたらしたと報じられている。
韓銀は、今年下半期の輸出回復による商品収支の改善を前提に、それぞれ210億ドルと260億ドルの経常収支黒字を予想している。しかし、今年の第1四半期までの実績や4月以降の輸出入動向と見通しなどを考えると、200億ドル台の黒字達成は難しい見通しだとされている。
経常収支の黒字を支えている第一次所得収支は、今後4月の実績が重要とみられている。毎年4月には国内外国人投資家に対する配当金支払いが集中するため、第一次所得収支が赤字になる可能性が高くなる。第一次所得収支まで赤字に転じれば、4月の経常収支は再び悪化しかねないとされている。
しかし、韓銀は最近、国外現地法人から入ってくる配当収益が増えている部分が4月配当金の流出増加と相殺され、第一次所得収支の赤字幅が多少減る可能性があると期待している。
このように、韓国の第1四半期の経常収支は最大の赤字となっており、年間200億ドル台の黒字達成には赤信号が灯っている。政府と韓銀は下半期の輸出回復による商品収支の改善を前提に、それぞれ210億ドルと260億ドルの経常収支黒字を予想しているが、今後の輸出入動向や原材料など輸入需要の調整などによっては、黒字達成が困難な状況が続く可能性がある。
コメント欄の意見：
「長々と言い訳記事書いてるけど『輸出の促進と原材料など輸入調整しなければならない』で結論付けでは情けないね。金融研究委員ならもう一歩対策が必要だと思う。」
「予想では無く願望ですよね。韓国は希望願望を予想や予測と勘違いしがち。少し前に 間も無くウォンが基軸通貨になる と『予測』していたし。これだから計画を立てられないのだろうね。」
「半導体が不振になる中でウォン安が加速して、紛争が多発する国際情勢のもとでエネルギー輸入価格が高騰している。今後は、貿易収支の赤字がどんどん拡大していくことになるだろう。」
「だから失ったATMの回復に必死なのかな？ま、いずれ内政の行き詰まりで歴代政権と同じ道を歩むのだろうよ。一緒に岸田内閣も沈没だな。」
「日本と同じく資源のない国は貿易赤字はきつい。原料を買って仕入れて加工して高く売らないと駄目。」
「中韓の数字は全く信じられない。悪い数字は×2、いい数字は÷２くらいと考えたほうがいいような気がします。」
「半導体企業の売り上げが大幅に減少しているから、当面厳しい状況が続くと思われる。」
「政府と韓銀は下半期の輸出回復による商品収支の改善を前提に、、、下期が始まる頃には『来年上期の輸出回復による、、、』って言うことだろうね。きっと。」
「好転する材料がない以上、これは始まりに過ぎないことをまず理解するべき。」
「IMFの足音が聞こえてきましたね、再び。」
マイナス４４億ドル…韓国の第１四半期の経常収支、１７年ぶりに最大の赤字
