中１男子、61歳男に胸部付近刺され全治不祥のけが　男は生徒の父親とトラブルか　東京・西蒲田

男子中学生が刺された現場（撮影・沢田直人）

　東京都大田区の住宅敷地内で、中学1年生の男子生徒（13）の胸付近を包丁で刺してけがを負わせたとして、警視庁蒲田署は10日、傷害の疑いで、職業、住居ともに不祥の山下泰範容疑者（61）を現行犯逮捕した。署によると、山下容疑者は「私がやったことに間違いない」と供述している。署は容疑を殺人未遂と銃刀法違反に切り替え捜査している。

【写真】男子中学生が刺された現場には生徒の血痕とみられる跡が残っていた

　逮捕容疑は10日午前8時5分ころ、大田区に住む生徒の胸付近を包丁で刺すなどし、全治不祥のけがを負わせた疑い。

　捜査関係者によると、生徒は意識があり、命に別条はない。生徒は制服を着ており、登校するために玄関を出た直後に襲われた可能性があるという。近隣住民からの通報を受け、署は近くの環状8号線の歩道にいた山下容疑者を現行犯逮捕。近くでは血の付いた包丁を押収した。

　近くの男性によると、生徒の父親が警察に、山下容疑者と面識があるとの説明をしていた。山下容疑者は生徒の父親が勤める家電量販店に何度か訪れ、生徒の父親を指名して接客させていたとの情報もある。男性は9日夕に生徒の自宅近くで「もう店には行かない」などと話す男の大きな声を聞いていた。男性の妻は、近くで山下容疑者の姿を数回目撃したことがあると話しているという。

　現場はJR蒲田駅の南西約400メートルの住宅街。近くには中学校がある。目撃した男性によると、生徒は母親に抱きかかえられ、血を流して倒れていた。靴の先まで血で赤くなっていたという。男性は「（生徒の母親が）『息子が刺された。救急車と警察を呼んで下さい』とうろたえた様子で叫んでいた。あんな声は聞いたことがない」と話した。現場の敷地内には血痕のようなものが残っていた。現場近くの中学校では教員らが見守る中、集団下校が行われた。【沢田直人】