被害者宅3階に第三者足跡　中学教諭、借金数百万円か　江戸川63歳男性殺害・警視庁

警視庁本部＝東京都千代田区

　東京都江戸川区の民家で2月、住人の山岸正文さん（63）が殺害された事件で、山岸さん宅の3階部分から家族以外の足跡が検出されたことが11日、捜査関係者への取材で分かった。

【写真】山岸正文さんが襲われ、倒れていた現場の自宅

　
　警視庁は同日までに小松川署に捜査本部を設置。足跡は殺人容疑で逮捕された中学教諭尾本幸祐容疑者（36）が付けた可能性があるとみて、関連を捜査している。

　捜査関係者によると、尾本容疑者は投資トラブルなどで数百万円の借金を抱えていたとみられる。逮捕前の任意の事情聴取に対し、「（山岸さんから）荷物を運ぶのを手伝ってほしいと言われた」という趣旨の説明をしていたといい、同庁は経緯を慎重に調べる。

　山岸さんは江戸川区一之江の3階建て民家で、母親と2人で暮らしていた。主に母親が1階で、山岸さんが3階で過ごしていたとみられ、足跡は3階部分で見つかった。

　山岸さんは2月24日午後6時半ごろ、自宅1階の階段下で、足を玄関側に向け、顔から血を流しあおむけに倒れているのを母親に発見された。

　勤務先を出て買い物を済ませ、帰宅した直後に殺害されたとみられる。顔や首、腕を複数箇所、切られるなどしており、手には刃物の柄が握られていた。刃体は見つかっていないという。

　尾本容疑者は事件当日の午前中、山岸さん宅から約200メートル離れた区立中に出勤したが、午後は半日休暇を申請していた。

　警視庁は同容疑者の関係先を家宅捜索し、携帯電話などを押収。山岸さんとの面識やトラブルの有無を含め、当時の状況を詳しく調べている。