ロシア異変!プーチン政権への公然批判が噴出 〝謀反の火種〟内紛状態に陥りつつ…「ワグネル反乱恐れ弾薬与えない可能性」識者指摘


ロシア異変!プーチン政権への公然批判が噴出 〝謀反の火種〟内紛状態に陥りつつ…「ワグネル反乱恐れ弾薬与えない可能性」識者指摘

ロシア国旗

【写真】ウクライナ軍の攻撃で破壊されたとするロシア軍陣地

■正規軍ののしる

プリゴジン氏は11日、「一部地域でウクライナ軍が反撃に成功している」とする声明をSNSで発表した。「事態は最悪のシナリオで進んでいる」とも述べ、正規軍のていたらくぶりをののしった。さらには「バフムトには戦略的重要性がない」とも訴え、同地域を制圧する意義に疑問を呈した。

ウクライナ軍も10日、露軍の精鋭である第72独立自動車化狙撃旅団をバフムトから撤退させたと報告した。米シンクタンク「戦争研究所」は10日、「ウクライナ軍がバフムト周辺で局所的な反撃に成功している」と分析した。

ウクライナ戦線で存在感を高め、「ポスト・プーチン」の見方もあったプリゴジン氏だが、ここにきて指導部批判を繰り返している。11日には弾薬供給の「約束が果たされていない」としてバフムト撤退の可能性を改めて示した。

筑波大学の中村逸郎名誉教授は「プリゴジン氏が非難を強めているのは、ウクライナの前線で多くの死傷者が出る中で、相当な不満がたまっていることを示している。プーチン政権が弾薬を与えないことも、クレムリン(大統領府)側がワグネルに反乱を起こされることを恐れているのかもしれない。前線ではワグネルの力が必要なだけに、プーチン氏も処遇に困っているのではないか」と指摘する。

■受け身に回っている

プーチン政権批判は別のところからも噴出した。ロシア軍元大佐のイーゴリ・ギルキン氏らが創設した民間団体「怒れる愛国者クラブ」が12日、モスクワで記者会見し、ウクライナ侵攻は「停滞している」と批判した。ウクライナ侵略への異論が封じられているロシアで、公然とした政権批判は異例だ。

ギルキン氏はウクライナ東部の親露派「ドネツク人民共和国」で2014年に「国防相」を務めた。14年にウクライナ東部で298人が死亡したマレーシア航空機撃墜事件で殺人罪に問われ、オランダの裁判所から終身刑を言い渡されている札付きの存在だ。

ギルキン氏は、昨年2月から続く侵攻でのロシア軍の戦いぶりを「受け身に回っていて、作戦の目的が達成できていない」と訴えた。プリゴジン氏については「非合法の武装集団を操る危険な存在」と斬り捨てた。会見参加者の1人は、来年春の次期大統領選で独自候補擁立も視野に入れていると述べるなど、反プーチン、反プリゴジンの姿勢を明確にした。



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