更年期症状の背後に隠れている〝がん〟の可能性 異変を感じたら婦人科受診を 国際医療福祉大学三田病院婦人科・上田和教授に聞く

[ad_1]

更年期症状の背後に隠れている〝がん〟の可能性 異変を感じたら婦人科受診を 国際医療福祉大学三田病院婦人科・上田和教授に聞く

上田和教授

「年を重ねて疲れやすくなった」と、嘆く妻。いつもより少しだけハードに動いただけなのに、身体が鉛のように重く感じられ、翌朝になっても疲れが抜けないようなことも起こります。思うように身体が動かないのでイライラし、家族に八つ当たりをしてさらに気分がドンと下がってしまうことも。こうした状態が更年期には起こります。

【イラストでみる】男性更年期障害の主な症状

「女性の更年期の症状は多彩です。痛みやつらさの感じ方も人によって違うため、更年期の症状は40~80種類もあるといわれるほど、いろいろな症状を引き起こすのです」と、国際医療福祉大学三田病院婦人科の上田和教授。

更年期症状をチェックする「SMIスコア(簡略更年期指数)」によればその症状は―

1.顔がほてる

2.汗をかきやすい

3.腰や手足が冷えやすい

4.息切れ、動悸がする

5.寝つきが悪い、または眠りが浅い

6.怒りやすく、すぐイライラする

7.くよくよしたり、憂うつになることがある

8.頭痛、めまい、吐き気がよくある

9.疲れやすい

10.肩こり、腰痛、手足の痛みがある

このほか、人によってさまざまな症状が現れるそうです。男性の場合は、「AMSスコア(男性更年期障害質問票)」が活用されています。

「全ての人が更年期に症状が必ず出るわけではありません。ホットフラッシュのような自律神経系の症状は、更年期の人の約40~70%程度に現れるとされ、発症範囲に幅があります。そのため、更年期の症状か別の病気の症状か、見極めることが重要になるのです」

たとえば、つらい倦怠感は、新型コロナウイルス感染症の後遺症でも生じます。心臓病の病気で血液循環が悪くなったときや、肝機能低下、甲状腺の病気、がん、うつ病など、さまざまな病気で、倦怠感は症状として現れることがあります。

「症状が重く日常生活にも支障が及ぶ更年期障害は、心臓病など他の病気が全てないことを確認した上で診断します。これを『除外診断』といいます」

更年期の症状は種類が多く、腰痛や肩こり、関節痛など、加齢に伴い発症しやすい症状とも重なるため、除外診断は他科とも連携しながら行うことが基本になります。また、女性の更年期では起こりがちな不正出血では、子宮がんの症状との鑑別も大切です。

「更年期世代は、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんの好発年代と重なります。『ちょっと変だな』と思ったら、ご自宅近くの婦人科を受診してください」

上田教授は、キズの小さな手術を得意としています。がんをきちんと治しつつ、なるべく身体に負担の少ない治療法を手掛けているそうです。また、卵巣を摘出した患者の更年期症状の治療にも尽力しています。

「更年期の症状は多彩ゆえに、見逃してはいけない病気が隠れている可能性があることを覚えておきましょう。つらい症状や、いつもと違う身体の異変を感じたら放置しないことが大切といえます」

更年期障害にも症状を軽減する治療法はいろいろあります。更年期世代は、仕事や家庭のことなどで忙しいことが多いのですが、あえて家事の手抜きをしてでも、健康管理に時間を割くことを心掛けましょう。 (取材・安達純子)

■上田和(うえだ・かず) 国際医療福祉大学医学部産婦人科学教授、国際医療福祉大学三田病院女性腫瘍センター・婦人科部長。1998年東京慈恵会医科大学卒。東京慈恵会医科大学産婦人科学講座講師、Asan Medical Center(Seoul)留学などを経て、2020年に国際医療福祉大学三田病院婦人科部長、2021年から現職。婦人科系がんの診断・治療・研究を数多く行う一方、更年期障害にも詳しい。

[ad_2]

Source link