
ロシア国旗
ロシアによるウクライナ侵略で、最激戦地の東部ドネツク州バフムトを巡る戦闘に露軍側で参加している露民間軍事会社「ワグネル」トップのプリゴジン氏は18日、「バフムトの北方で露正規軍が570メートル後退し、ワグネル部隊の側面をがら空きにした」と非難する声明を交流サイト(SNS)上で発表した。「戦線をなお数日間は保持するよう露国防省上層部に要求する」とも述べた。
【写真】ウクライナ軍の攻撃で破壊されたとするロシア軍陣地
半年以上にわたり激戦が続くバフムトを巡っては一時、露軍による制圧が近いとの観測が強まったが、ここ最近はウクライナ軍が周辺で反撃に成功。仮に露軍がバフムトを制圧した場合でも、それ以上の進軍は困難だとの観測も出ている。
ウクライナ軍東部方面部隊のチェレバティ報道官は18日、「軍が過去1日間にバフムト周辺で最大で1700メートル前進した」と発表した。同国のマリャル国防次官も18日までに「バフムト北方と南方の郊外で約20平方キロの領土を奪還した」と明らかにしている。
露国防省は18日の戦況発表で、バフムトに関して「軍が制圧を目指して戦闘を続けている」とだけ言及した。露国防省は最近、ウクライナ軍がバフムト周辺で攻勢を強めていることを認めている。
露軍はバフムトを制圧し、全域の制圧を狙うドネツク州中心部への進出ルートを確保する狙い。ウクライナ軍はバフムトで露軍を足止めして損耗させた上で、本格的な反攻に着手する方針を示している。