Cygamesが手がけるゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』が、海外からの注目をかつてないほど集めている。特に、引退馬や功労馬に生牧草を贈る「生牧草バンク」には、海外からのハルウララ宛ての支援が殺到し、7月12日には一時的にサイトへのアクセスが困難になる事態が発生した。「生牧草バンク」の公式Xアカウントも、「海外からうーちゃん(ハルウララ)宛てのご利用が爆発しています」と状況をアナウンスしている。この現象は、『ウマ娘』の海外人気が現実世界の支援活動に波及した顕著な例と言える。
『ウマ娘』公式Xアカウントから紹介されている、海外からの支援を集めるハルウララ(競走馬)の写真
『ウマ娘』海外人気急上昇の背景
『ウマ娘 プリティーダービー』は、実在の競走馬をモチーフにした「ウマ娘」を育成するゲームだ。ゲームだけでなく、テレビアニメや劇場版、漫画など多角的なメディアミックスを展開している。最近では、漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』のアニメ版が2025年4月から6月にかけて放送され、海外でも高い評価を獲得。「Anime Trending」や「Anime Corner」といった海外の投票サイトでは、2025年春シーズンの人気投票で1位に輝くなど、その人気ぶりが証明された。また、6月26日にはゲーム版が北米やヨーロッパなど海外向けにリリースされ、iOS、Android、Steamといった主要プラットフォームで展開。アニメでの認知度上昇も相まって、海外での人気は一層加速している。
113戦0勝のハルウララ、海外ファンからの支援集まる
こうした『ウマ娘』の海外人気の波の中で、特に注目が集まっているのが、かつて日本で社会現象を巻き起こした競走馬、ハルウララだ。生涯成績113戦0勝というユニークな戦績ながら、そのひたむきな走りが多くの人々に勇気と感動を与えた。『ウマ娘』でも、その史実に基づいたキャラクターとして描かれており、多くのファンに愛されている。現在、ハルウララは千葉県にあるマーサファームで功労馬として余生を過ごしており、国内外から多くの見学者が訪れる。今回、『ウマ娘』を通じて彼女を知った海外ファンが、ハルウララへの支援方法を検索する中で、「生牧草バンク」の存在を知り、利用が爆発的に増加した形だ。「生牧草バンク」のハルウララ専用ページには、海外の支援者から寄せられた「いつまでも元気でいてください」といった温かいメッセージが多数表示されており、国境を越えた応援の輪が広がっていることを示している。
「生牧草バンク」のハルウララ紹介ページに表示されている、海外の支援者からの温かいメッセージ
まとめ
Cygamesの『ウマ娘 プリティーダービー』が世界的な人気を獲得している影響は、ゲームやアニメの世界に留まらず、実在の競走馬への支援という形で現実世界にも波及している。特に、多くの人々に愛されるハルウララへの海外からの温かい支援は、コンテンツが国境を越え、新たな絆を生み出している好例と言えるだろう。