【異論暴論】正論8月号好評販売中 同級生が語る横田めぐみさん


正論8月号

 ■涙ながらにつづった渾身の手記

 2002年の小泉純一郎元首相の訪朝で北朝鮮は拉致事件を認め、5人の拉致被害者が日本に帰国した。快挙ではあったが、その後拉致事件は膠着(こうちゃく)状態が続き、そして今また事件解決に向けた期待が高まりつつある。

 正論8月号では横田めぐみさんの小中学校の同級生、眞保恵美子さんの手記「同級生が語る横田めぐみさん」を掲載した。拉致事件が表面化して以降、「家族の絆」という言葉が再三叫ばれた。だが、絆とは、家族との間だけに存在するものではない。同級生との間にも絆はある。学校を四六時中ともに過ごした友人にとって、めぐみさんが忽然(こつぜん)と姿を消した出来事が眞保さんにその後、何をもたらし、どんな思いを胸に刻んだか。込み上げてくる思い出の数々、尽きない思いを涙ながらにつづった渾身の手記からは、明るくはじけた日々を過ごすめぐみさんが浮かび上がる。そしてそうした日々を一瞬にして奪った拉致の非道さと深刻さが伝わってくる。

 拉致事件は今、国際社会の交渉テーマに持ち出され、「即時全員一括帰国」への期待は高まっている。だが、事件の本質は絆を奪うという非道な犯罪で、主権侵害であることを私たちは決して忘れてはならない。(安藤慶太)



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