21日投開票の参院選で、産経新聞社がFNN(フジニュースネットワーク)と合同で実施した電話での調査(6、7日)に取材を加味した山梨選挙区(改選数1)の中盤情勢は、自民党の現職、森屋宏氏(62)=公明推薦=が、野党統一候補の無所属新人、市来伴子氏(41)=立憲民主、国民民主、共産推薦=をリードしている。
森屋氏は自民党支持層をほぼ固め、公明党支持層にも幅広く浸透している。さらに日本維新の会の支持層にも食い込み、安定した戦いを進めている。陣営は終盤に向け、勝利ムードに陥らないように引き締めに力を注ぐ構えだ。
市来氏は立憲民主党と国民民主党の支持層を取り込み、共産党と社民党支持層にも浸透しているが、伸び悩んでいる。立民からの出馬を当初表明したことで、東京都杉並区議として党籍のあった社民から除名処分となり、野党の共闘態勢づくりが遅れた影響が尾を引いている。今後、無党派層への浸透と知名度アップで追い上げを狙う。
政治団体「NHKから国民を守る党」の新人、猪野恵司氏(35)は10、20代の支持が比較的に高いものの、厳しい戦いとなっている。
ただ、調査時点で回答者の約2割が投票先を決めていないなど流動的な要素が残っており、前回選で58・83%だった投票率の行方も勝敗に影響しそうだ。「必ず投票する」「投票するつもりだ」との回答は、期日前投票を済ませた人を合わせて全体の約9割に上っている。