ロシア内務省は29日、米共和党重鎮のグラム上院議員を指名手配した。2021年4月撮影(2023年 ロイター/David W Cerny)
[モスクワ 29日 ロイター] – ロシア内務省は29日、米共和党重鎮のグラム上院議員を指名手配した。グラム氏が訪問先のウクライナでゼレンスキー大統領との会談の際に「ロシア人は死にかけている」、「(米国の支援は)最良の金の使い方」などとと発言したことについて犯罪捜査に乗り出したと明らかにした。
グラム氏の発言はウクライナ大統領府が公開した編集済みの映像によるもの。ロシアからの批判を受けて後に公開された会談の全映像ではこれら2つの発言は直接関連していない。
ロシア外務省のザハロワ報道官はテレグラムに投稿した動画で「グラム氏は自分の言葉がウクライナ政府によって文脈から切り離されて使用されたと感じたのであれば、自分の携帯電話で映像に関する声明を出すことができるはずだ」と指摘。「そうすればグラム氏が実際にそのように考えているのか、ウクライナ政府によるパフォーマンスだったのかが分かる」と述べた。
「最良の金の使い方」についてグラム氏は、米国の支援を使いロシアの侵攻に抵抗しているウクライナ国民の精神を称賛したと説明。指名手配については「プーチン大統領の腐敗し不道徳な政府が発行した逮捕状を名誉の印として身に付ける」とした上で「全てのロシア兵がウクライナ領土から追放されるまで、ウクライナの自由のために共に立ち続ける」と表明した。