3日、ロシアのミサイル攻撃で破壊されたウクライナ東部ドニプロ郊外の住宅=ロイター
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが3日に報じたインタビューで、ウクライナに侵略するロシア軍への大規模な反転攻勢を前に米欧諸国に兵器の供与を加速するよう求めた。「前線ではロシアの航空戦力が優勢だ」と述べ、防空能力の強化が喫緊の課題との認識も示した。
ゼレンスキー氏は本格的な大規模反攻の着手について、「準備はできている」と語った。一方で、現在の装備で反転攻勢に出ることになれば、「多くの兵士が死ぬだろう」と述べた。
(写真:読売新聞)
ウクライナ大統領府の副長官は4日付の英紙サンデー・タイムズとのインタビューで「火砲や戦車などが依然、十分ではない」と述べた。5月中旬に露軍の攻撃で西部フメリニツキー州の弾薬庫が破壊され、ウクライナ軍の反攻準備に響いているとの指摘もある。
ウクライナ空軍によると、露軍は4日、巡航ミサイル6発と無人機5機を発射し、ウクライナ軍はミサイル4発と無人機3機を迎撃した。首都キーウ方面ですべて撃墜したが、中部キロボフラード州の空軍基地付近にミサイル2発が着弾した。
3日夜には東部ドニプロ近郊の住宅がミサイル攻撃の被害を受けた。地元当局者によると、子供1人が死亡し、22人が負傷した。
一方、ウクライナに拠点を置いてプーチン露政権の打倒を目指すロシア人武装組織による露西部ベルゴロド州への進入攻撃は4日も続いた。地元州知事は、砲撃で新たに2人が死亡したと発表した。