自身の学歴詐称疑惑が発端となり、静岡県伊東市の田久保真紀市長(55)は市議会からの不信任決議を受け、議会解散という異例の選択をしました。10月19日に行われた市議会議員選挙の投開票では、田久保市長への不信任決議に賛成した前職18人全員が当選。報道各社の情報によると、当選者20人のうち19人が再び不信任決議案に賛成する意向を示しており、31日に予定されている臨時議会での2度目の不信任決議案可決により、田久保市長の失職は目前に迫っています。この一連の動きは、伊東市政に大きな動揺をもたらしています。
伊東市議選、不信任賛成派が圧勝:市長の当事者意識に疑問符
今回の市議会議員選挙は、田久保市政の是非が問われる選挙として注目されていました。結果は、市長の不信任決議を支持する候補者が圧倒的な強さを見せ、市長の退任へ向けた民意が強く示された形です。しかし、田久保市長は20日午前の報道陣による取材に対し、「もう少し政策論争ができればよかった」とにこやかに語るなど、この重大な選挙結果に対して当事者意識が希薄であるとの指摘が上がっています。多くの市民が市政の停滞を懸念する中、市長の発言はさらなる波紋を呼んでいます。
学歴詐称疑惑に揺れる伊東市の田久保真紀市長
『Mr.サンデー』出演で学歴詐称疑惑を追及される
市議選の投開票が行われた10月19日夜、田久保市長はフジテレビ系『Mr.サンデー』にリモート出演しました。この番組内で見せた振る舞いや発言が、「放送事故級」とまで言われるほどに波紋を広げています。番組では、司会の宮根誠司氏(62)が田久保市長の学歴詐称疑惑を徹底的に追及する一幕が注目を集めました。田久保市長は市の広報誌で「東洋大学法学部卒業」と公表していましたが、後に大学側から除籍されていたことが判明。一方で、自身は「卒業証書」なる書類を持っていると主張するものの、百条委員会の審議などでも刑事告発されていることを理由に、その提出や開示を一貫して拒み続けています。
司会宮根氏の質問に「7秒フリーズ」、波紋呼ぶ対応
『Mr.サンデー』での生中継では、疑惑の卒業証書が主要な焦点となりました。中継開始直後から、宮根氏をはじめ、元自民党衆院議員の金子恵美氏(47)や杉村太蔵氏(46)ら識者からの追及を受けた田久保市長。卒業証書について「私は本物としてずっと信じて扱ってきた」と主張するものの、刑事告発を理由に詳しいことにはノーコメントを貫きました。時間が限られる生中継で要領を得ない回答を繰り返す田久保市長に対し、宮根氏は苛立ちを隠せない様子でした。
CMが明けると、宮根氏は「卒業証書が本物なのかどうかというところで食い違っている。ここの信頼を得ないと、次に新しい政策をするときに『あの書類本物なのかな?』と僕は思ってしまう。シンプルに開示した方が次も市長選をやりやすいと思うし、なぜできないのか」と力強く追及しました。しかし、田久保市長は笑顔を浮かべ「ご意見として承りたいと思います」と述べるのみ。宮根氏が「いつかは開示されるのか」と問うと、穏やかな口調で「いま刑事告発の対象になっておりますので、詳しいことはちょっとコメントができないという状況になっております」と繰り返しました。
宮根氏は田久保市長の主張に一定の理解を示しつつも、「伊東市の首長さんとして、大胆な政治決断が必要だ。刑事告発は置いておいて、卒業証書を出して『こういうものでした』と見せた方が伊東市民も納得しやすいし、伊東市の市政も動きやすいと思う」と再度指摘。さらに畳みかけるように、「弁護士さんの金庫に(卒業証書が)あるんでしょう?」と質問した瞬間、田久保市長はテレビ画面上で約7秒間沈黙する「フリーズ」状態となり、視聴者に大きな衝撃を与えました。
伊東市長の学歴詐称疑惑を巡る問題は、市議選の結果とテレビでの対応を通じて、改めてその深刻さと当事者の説明責任が問われることとなりました。市民の信頼回復に向け、今後の動向が注目されます。
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