坂東玉三郎 歌舞伎の本興行から距離置く意向 「体力的に難しい」猿之助問題に揺れる松竹また打撃


坂東玉三郎 歌舞伎の本興行から距離置く意向 「体力的に難しい」猿之助問題に揺れる松竹また打撃

セルフプロデュース公演「PREMIUM SHOW」の会見を行った坂東玉三郎

【写真】坂東玉三郎 豪華打ち掛け披露に観客どよめき

 当代きっての女形として知られる玉三郎。通常の歌舞伎公演では出演時間の長い大役を務めることが多く、1カ月間ほとんど休みのない稼働が求められる。そんな中、「大きな役で大劇場の1カ月間の一晩を背負うことが体力的に難しくなってきた」と吐露。「そんな時に今回の話を頂き、運命的なものを感じた。これから自分が生きていく道として良いのではないかと思った」と語った。今後は、今回のように小さな劇場などでの公演や、舞台製作などに主軸を移していくという。

 この発言に、頭を抱えるのは歌舞伎の本興行を取り仕切る松竹だ。一、二を争う集客力を持つ猿之助が今回の事態で舞台に立てない中で、多くのファンを抱える玉三郎まで離れれば、歌舞伎界が興行的に厳しい状況に陥るのは必至。加えて同じく看板俳優の尾上菊五郎(80)や松本白鸚(80)も本調子と言えず、大役を務めることが難しい状態が続いている。「今後、どのように劇場を埋めればよいのか…」と頭を抱える関係者もいる。歌舞伎界はさらなるピンチに追い込まれることになる。

 会見後、本紙記者らに猿之助の件についての考えを聞かれた玉三郎は、立ち止まって何かを語ろうとする様子を見せた。ただ、そのままスタッフに促される形で会場を後にし、何も話すことはなかった。

 ≪小規模ホールならではの魅力語る≫今回の公演は「PREMIUM SHOW」と題し、9月2~10日に口上と衣装解説、同12~24日にコンサートを行う。現在は選曲の真っ最中で「小さな空間だからこそひっそりと歌えるボサノバのようなナンバーを考えています」と構想を明かした。会場は100席限りの小規模ホール。「この年齢になると、近くから見られてしまうことがデメリット」と語り笑いを誘いつつ、「お客さまとの距離が近いからこそ、ある種の即興性が生まれるのではないか」と期待を口にした。



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