(写真:読売新聞)
米紙ワシントン・ポストとNBCニュースは8日、ウクライナ軍がロシア軍に対する大規模な反転攻勢に本格着手したと報じた。いずれもウクライナ軍高官からの情報として伝えている。昨年2月にウクライナ侵略を始めたロシアは、2014年に一方的に併合した南部クリミアも含め、ウクライナ領土の約17%を占領している。ウクライナが反転攻勢でどこまで領土を奪還できるかが焦点となる。
ウクライナ軍はドイツ製主力戦車「レオパルト2」など米欧諸国から兵器の供与を受け、12旅団を編成するなど大規模な反転攻勢の準備を進めていた。
6日、バフムト方面の前線を移動するウクライナ軍兵士ら=ウクライナ軍提供、ロイター
ウクライナの攻勢に関連して、ロシアのセルゲイ・ショイグ国防相は、ウクライナ軍が8日未明、南部ザポリージャ州で露軍防衛線の突破を図ったと発表した。州西部オリヒウ南方の露軍陣地で激しい戦闘があったという情報もある。オリヒウは露軍の補給拠点メリトポリの北方約80キロ・メートルにある。ウクライナ軍が大規模反攻でメリトポリ奪還も視野に入れているとの見方が広がっている。
ウクライナ軍は4日以降、東部ドネツク州南西部からザポリージャ州東部までの「南ドネツク戦線」で攻勢を強化している。アゾフ海沿いの港湾都市マリウポリ、ベルジャンシクの奪還に向けた動きとみられる。成功すれば、南部クリミアと露本土を分断させることになる。